物語を彩る多彩なキャラクターたち
――徐々にキャラが動いてきてくれたということですが、最初からつかみやすかったキャラとそうじゃなかったキャラはいますか。
はみ つかみやすかったのは単行本第1巻のあとがきにも書いたんですけど、緑と秀一。この2人はすごい楽でした。なんにもしないでも、勝手に動いてくれます(笑)。
――逆につかみずらかったのはやはり……。
はみ 久美子! そりゃ久美子ですよ。久美子のことは、心情的にはすごい理解はできるんですけど、いざ主人公として動かそうとするとどうしようって。自発的に行動するキャラクターではないので、そこをどうやってマンガで描こうかは、いつも悩みます。
――キャラクターデザインの面で描きやすかったキャラなどは。
はみ 描きやすかったのは、優子とかは楽しくかけたかなって。逆に描きづらかったのは、これも滝先生(笑)。すごく描きにくいです。
――はみさんは、これまで少年少女をメインで描かれてきているのかなと思うので、30代以上の男性というのは、描き慣れていないということでしょうか。
はみ 慣れてないですねー。自分では全然描かなかったんです。滝先生は、わたしのまわりからは「厳しいんだけど正しいところがいいね」って評判なんですけど、その厳しさと正しさのバランスをどうしたらいいだろうって。
――秀一はどうでしたか。
はみ じっさい連載が始まるまで、この秀一と滝先生がかぶらないか不安でした。けれど、動かしてみたら全然かぶらなかったなって。登場する場面の雰囲気だったり、言うセリフなんかも全然違うキャラクターなので。よかったーって思ってます。
――部長は、かなりキャラデザ案があったそうですね。
はみ そうですね。出しましたよね、部長のデザインはいっぱい。晴香は言ってしまえば「普通なことが悩み」みたいなキャラなので、「普通」から外れてはいけないし、かといって「普通」を貫きとおすとモブになってしまうしで、どこらへんに落としこむのか、悩みました。キャラデザについては、第1巻、第2巻ともに巻末にかなりラフを収録しているので、ぜひチェックしてください。