人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、ぢゅん子先生!
「王子様のとなりには、お姫様ではなく、王子様でいいじゃない!」
高校2年生の芹沼花依は、イケメン同時が仲よくしているのを見ると、スキあらば“カップリング”して楽しむ、いわゆる腐女子。その妄想はアニメやゲームの世界にとどまらず、自身のクラスメイトさえも対象にしている。自分とどうにかなることよりも、彼らのそばでカップリングを妄想することが花依の幸せだった。
そんなある日、大好きなアニメキャラが死んだショックで激ヤセした花依は、家族も驚く美少女に大変身!すると妄想の対象だった4人の美男子からデートに誘われて……!?
超オタクのヒロイン・花依に、突然モテ期が到来するラブコメ作品『私がモテてどうすんだ』で、『このマンガがすごい!2015』のオンナ編第4位にランクインし、10月13日には最新刊第7巻が発売される、ぢゅん子先生にインタビューさせていただきました!
コンセプトは乙女ゲー。腐女子あるある満載!
――『私がモテてどうすんだ』(以下『私モテ』)は、『このマンガがすごい!2015』オンナ編ランキング第4位にランクインしました。ぢゅん子先生の率直な感想をお聞かせください。
ぢゅん子 ありがとうございます。連載を始めた時は、正直かなりの手探り状態でしたので、思わぬ評価をいただきとても驚きましたし、うれしいかったです。
――受賞したことで、何か変化はありましたか?
ぢゅん子 4位に入賞した作品なら読んでみようかな、と手に取ってくださる方が増えたと実感しています。コミックスの帯にもバーンと書かせていただきました!
――『私モテ』は、主人公が多数の男性キャラクターからモテる展開が魅力のひとつだと思うのですが、女性向け恋愛アドベンチャーゲーム、いわゆる「乙女ゲーム」を意識した部分はありますか?
ぢゅん子 もともとコンセプトが乙女ゲーなんです。「もっとも主人公になりたくない人物が主人公になってしまった乙女ゲー」です。
――しかも、主人公の花依は、自分の恋愛にあまり興味がない腐女子という設定ですよね。あえてヒロインを腐女子として描こうと思った理由・こだわりなどはありますか?
ぢゅん子 連載前に「いくつかネタを出して見せて下さい」と言われて考えたのですが、少女マンガに不慣れなこともあり、悩みました。そこで師匠である影木栄貴さんに相談したところ、「腐女子ネタはどうだ」というアドバイスをいただき、腐女子世界のことなら私もよく知っているし、描けそうだと思って決めたんです。
――花依のオタクあるあるエピソードは自分や友人から聞いたものとありますが、気に入っているものはどれですか?
ぢゅん子 シオンが死んでしまい、花依が部屋に仏壇を飾るというエピソードです。反響も一番大きかったですね(笑)。
――このシーンは、共感と衝撃を生みましたね。ちなみに、先生ご自身の体験がもとになっているエピソードもあるのでしょうか?
ぢゅん子 クローゼットにマンガをしまいこみ、雪崩を起こすのは何度かやったことがあります。