日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『おやすいみん部』
『おやすいみん部』第2巻
久遠まこと KADOKAWA ¥640+税
(2015年11月9日発売)
人間の3大欲求、食欲、睡眠欲、性欲。
性欲はエロマンガで描いている。食欲に関してはグルメマンガが山ほどある。
ところが「睡眠」はほとんどマンガで描かれない。
この作品は睡眠をテーマにしたギャグマンガ。
みんなの輪に入れない、内気な少女・笹山千恵。彼女の休み時間の過ごし方は、机で寝ること。
彼女が偶然見てしまったのは、どこでも寝てしまう歌多音里桜(うたたね・りお)。寝相が悪くて、睡眠中暴れてしまう困り者。
歌多音たちが入っている部活が「睡眠部」。最高の睡眠スポットを探す部活だ。
普段から寝ている笹山は、なかば強引に入部させられ、よりよい睡眠を探し始める。
部員は、寝ると自慰を始めてしまう榊原菜々美、眠ると必ずおねしょをする秋葉華音と問題児ばかり。気になって安眠できない!
そんな彼女らを安眠させるフルート奏者・水戸屋渚が登場。しかし彼女も寝ると、ある行動に出てしまう。
寝ている間、自分が何をしているのか、まったくわからないのは怖いこと。
彼女らはそこを開き直っているので(笹山以外)、なんだか見ていて気持ちよさそう。
おねしょをする秋葉は、寝るためのおむつを常備するほど。
堂々としている彼女らは、ある意味自分をさらけだして、のびのびとした睡眠を手にしている。野外に出て迷惑さえかけなければ。
だれもが睡眠なくして生きられない。
今後「睡眠マンガ」が流行る日が来る可能性は、十分にある……かなあ。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」