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【インタビュー】描かない間もマンガのこと、ずっと思ってた。 『花と落雷』渡辺カナ【後編】

2014/07/23


ファンタジーや4コママンガも描いてみたい!

——渡辺先生の作品は、詩的で美しい言葉、その先に未来が広がっていくようなラストシーンなモノローグが印象的だと感じます。

これから先に待っている幸せを予感させるようなモノローグが、読後感をグッとやさしいものに。

これから先に待っている幸せを予感させるようなモノローグが、読後感をグッとやさしいものに。

渡辺 モノローグは読んでいるときのリズムができるように、またラストは特に作品自体の意味がぐっと伝わるものになるようにと考えています。

——感覚、触覚、空気感などがていねいな情景描写から伝わってくるところも魅力ですが、屋外で写真を撮るなどしているのでしょうか。

渡辺 夏の木漏れ日や日陰などが大好きなので、見つけたときは写真を撮りますが、基本はほぼ毎日引きこもってます(笑)。

日向の柔らかい空気が伝わってくるような情景描写。まるでそこにいるような感覚が、キャラクターへの感情移入をさらに加速させる。

日向の柔らかい空気が伝わってくるような情景描写。まるでそこにいるような感覚が、キャラクターへの感情移入をさらに加速させる。

——『花と落雷』の最終話で、海美帆、八千代、四宮が三人で、八千代の中学校に行きますよね。八千代の思い出の場所を、まず金網越しに眺めるカットで、その場にいるような臨場感できゅーんとします!

かつて自分がいた場所を、金網越しに眺めることで、過ぎさった時間の重さを感じる。

かつて自分がいた場所を、金網越しに眺めることで、過ぎさった時間の重さを感じる。

渡辺 うわぁ、うれしいです!

——その後、八千代が先生の幻影を見るカットも、読みながら思い入れてしまいます。

渡辺 ありがとうございます。ここの八千代の表情は、作品中でも一番気に入っているんです。

先生お気に入りの八千代の表情。先生に

先生お気に入りの八千代の表情。先生に"さよなら”をできないまま止まっていた八千代の気持ちが動き出す!

——影響を受けたマンガ家さんはいらっしゃいますか?

渡辺 たぶん見たものすべてに影響を受けてます。マンガ以外のものにも。

——文学や映画などでのお気に入りは?

渡辺 小説はほとんど読まないですね。最近、映画では原作・伊坂幸太郎×監督・中村義洋の作品にハマっています。でも、基本、ファンタジーや魔法の世界が大好きなんですよ。小学校1年までの将来の夢は「魔法使い」でした(笑)。

——ということは、ファンタジーを描く構想も!?

渡辺 描けるかわからないですが、いつか描いてみたいです! 4コママンガも描いてみたいし、すごく短いお話や、すご〜く長いお話も。

——最近愛読しているマンガは何ですか?

渡辺 『よつばと!』(あずまきよひこ)、『アイアムアヒーロー』(花沢健吾)等々……いっぱいありすぎて挙げきれません!

——今、時間があったらどんなことをしてみたいですか?

渡辺 やってみたいのはマンガ以外でのものづくり、でしょうか。あ、「沖縄美ら海水族館」に行きたいです!

——では最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

渡辺 いつもマンガを読んでくださってありがとうございます。向上心を忘れずに、これからもがんばります!

取材・構成:粟生こずえ

単行本情報

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