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【インタビュー】浅野いにお『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 『デデデデ』は『けいおん!』だ! 浅野いにおの新たなる挑戦とは!?

2016/09/29


必要なわかりやすさとわかりにくさ。
でも、本質は『けいおん!』……?

──前提は“わかりやすく”?

浅野 若い人に向けて描こうという意識が強かったので。たとえば30代の自分と10代の読者が同じ理解力ってことはないじゃないですか。だから10代は10代で楽しめる部分があればいいと思うし、彼らが30歳になった時に読み返して、別の捉え方をしてもらえればいい。

──“わかりやすさ”でいうと、居候であるところの“侵略者”が「何をしに地球に来たのか?」という点は“わかりにくい”ですよね。

浅野 そこが難しいところです。あえて描いてはいないんですけど「描かれてないとわからない」という読者もいるし、「投げてる」「逃げてる」といういわれ方もする。でも、そこまで説明すると作品が痩せちゃうんですよ。

──第3巻以降、“侵略者”視点のエピソードも出てくるじゃないですか。そこが個人的には意外でした。途中で彼らの話になることは決めていたのですか?

得体の知れない存在だった“侵略者”。彼らの生活の一端が明らかに。

得体の知れない存在だった“侵略者”。彼らの生活の一端が明らかに。

浅野 決めてはいなかったです。ただ、先ほどから出ている“わかりやすさ問題”で「どこまで情報を読者に与えてあげるべきか?」ってことを考えた時に、「ビジュアルくらいは出してあげないと、つかみどころがなさすぎるのかな……」と。いざ描いてみたらストーリー上、非常に重要な役割を持っていることに気づきました。状況を二面性で示すためのわかりやすいキャラクターになったというか。想定外でしたけどね。

──これもまた“わかりやすさ問題”に繋がりますが「急におもしろくなった!」って人も増えたとか。

浅野 ちゃんと作品として構造ができていることを、わかってもらえたんでしょうね。侵略者モノだけど基本は『けいおん!』のような日常マンガだったところに、もう1枚要素が加わったというか。

──ただ、それでもセカイ系ではなく日常系ですよね。

浅野 いまだにセカイ系の意味がよくわからないんですけど、やりたかったことは非日常のなかにあっても、徹底的にキャラクターたちが日常から逸脱しないということですね。それが日常系なのかもしれませんけど。もっといえば、僕は会話劇しか基本的に書かない。会話があればそれで楽しい。他愛のない会話のやりとりがあるだけで充分です。

──その重点を置かれている会話ですが、おんたんがマシンガントークを繰り広げるじゃないですか。あれはネームの際にバーッと頭のなかからあふれ出てくるものなのですか?

セリフ、セリフ、セリフ! のマシンガントーク。さらっと「受け攻め」なんて言葉も。

セリフ、セリフ、セリフ! のマシンガントーク。さらっと「受け攻め」なんて言葉も。

浅野 書く時はザーっと書いちゃいます。固有名詞は普段見ているサイトとかで仕入れた知識で書いているだけ。スラング的なものに関しては、あっという間になくなってしまうことも多いので、何がアリで何はナシという判断は自分のなかでハッキリとあります。どれだけ流行っても「げきおこぷんぷんまる」なんて絶対に使わないとか(笑)。

──実際にネトゲをプレイされることも?

浅野 友人とやることはありますよ。ただオンラインで知らないだれかと密にやりとりしながらプレイすることはないので、(おんたんや門出のプレイスタイルは)すべて想像です。

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『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』 第5巻
浅野いにお 小学館 ¥750+税
(2016年9月30日発売)


『デデデデ』の根幹は何かに始まり、本作に隠されていたセールス的な野望(?)まで、様々な話題が飛びでた、今回のインタビュー。
次回はさらに浅野いにお流のマンガ制作の秘密について掘りさげます!
そして、浅野先生の今後について衝撃の発言が飛びだす! その発言とは!?

そんな『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の最新単行本第5巻は、明日9月30日に発売予定。今回のインタビューを読んで、単行本発売に備えよう!
また、『デデデデ』が100倍楽しくなる(!?)インタビュー第2弾は10月7日(金)公開予定! お見逃しなく!

取材・構成:奈良崎コロスケ

単行本情報

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