優しすぎない男の子が好きみたいです
――これが理想の男性像、みたいなのはありますか?
咲坂 もともとそういうのがないほうで……ときによって変わります。天然っぽい人をかわいいと思う瞬間もあって、それが和臣になったり。ちょっとめんどくさいのがいいなと思うとそれが理央に反映されていたり。描いて楽しい要素がそれぞれのキャラクターに入ることはありますが。
芸能人をキャラクターのモデルにすると、冷めちゃったときに困る……という経験が過去にあるのでやらないようにしています。
――ちなみに今、好きな芸能人はいますか?
咲坂 じつはここ数年、「SHINee」という韓国のアイドルグループにハマっていて。もとはというと、日本でデビューした頃にファンの方に教えていただいたんです。
――好きになったポイントは?
咲坂 ダンスがうまいのはもちろんなんですけど、アイドルグループらしくないデビュー曲だったんです。
「本人たちも不安だったんじゃないの?」って、勝手に心配してしまうくらい、難しい歌を歌っていて。実力のいる曲で勝負して、上がってきたところに心を打たれます。あと、5人のバランスも絶妙で。
――先生の推しメンは?
咲坂 テミンという子です。天然に見えない感じの天然ですね。見た目はかっこよくて王子様みたいにきれいでクールっぽく見えるのに、ヘンなことしちゃう、そういうところが好きです。
――そういう対象があると心が潤いますよね! では、創作上の人物で夢中になったキャラはいますか?
咲坂 『ときめきトゥナイト』の真壁くんかな……。ぶっきらぼうで、やさしすぎないところが好きです。
――今読み返すと、真壁くんって見た目に反してなかなかつっけんどんですよね。自分は自分、とバサッと断ち切るようなところがあって。
咲坂 けっして優しくないわけじゃないけど、いつも主人公に都合のよいキャラクターじゃないところがいいのかも。
――ぶっきらぼうを礼賛するつもりはないですが、態度にその人の筋が見えるのがカッコいいんだと思います。
咲坂 自分の作品でいうと、『アオハライド』の馬渕洸はちょっとそれに近いかもしれません。双葉の気持ちの想像はついても、彼女が喜ぶほうを必ずしも選択してくれなかったり。少女マンガのなかの男の子の記号からちょっとはずれていて、リアルで生っぽかったかな。思い入れのあるキャラクターです。