物語は上原の絶望とともに超展開を見せる。タンゴ星団から降り注いだ流星群から謎の生物が現れ、上原の陰茎に寄生してしまったのだ。その異形のチ〇ポの描かれ方たるや! いやホントにね、もう一度言わせてもらうけどね。なんなのよ、このマンガは!
やがて上原はこのチ〇ポの力を借りて、久し振りに再会を果たした初恋の人、新城かなこを犯してから自殺しようと決意(完全なる逆恨みです)。「なるほど、『寄生獣』×『花平バズーカ』のごときエクストリームなエログロSFが、この作品の正体なのね」と思いきや、宇宙人による地球侵略という主線も浮上して……。だからいったいなんなのよ、このマンガは!
238ページからなるこの第1巻を通読しても、まったくとりとめがなく、心が不安定になる一方だ。それでも読まずにはいられないのは、マンガ的魅力にあふれているとしか言いようがない。「これが描きたいんだ!」という作者の熱量が、アナログな作画に叩きつけられ、インクの匂いが漂ってくるようだ。1コマ1コマの情報量が異様に多く、世界観に没入しているうちに、一種のトランス状態に引きずり込まれる快感がたまらない。
はたして上原は無事に初恋の人をレイプできるのか? 上原の変貌したチ〇ポにはどんな力が秘められているのか? タンゴ星団とはなんなのか? 地球は宇宙人から狙われているのか? 本当のヒロインはだれなのか? 本作のジャンルはなんなのか? 都留泰作とは何者なのか? あらゆることが謎すぎて眠れない!
『ムシヌユン』著者の都留泰作先生から、コメントをいただきました!
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
「ドキュメント毎日くん」