序盤の印象としては『スタンド・バイ・ミー』的な「犯罪の秘密を共有する少年少女の友情物語」といった手触りもあったが、単行本の第2巻において「明が頭部だけになって発見される」という事件が発生し、事態は最悪の方向へと発展。
しかも同じタイミングで信太郎と椿は首のない死体の解体を指示され、仲間を自らの手で解体したと知ったことで精神的な負荷は限界を迎えてしまう。
そんな状況で迎えた最新刊での展開は、すべての罪を警察に告白する決意から始まるが、運命の分岐において最善手が選択されないのがこの物語。
ここにきて4人それぞれの家族との絆が描かれることで、切なさが頂点に達するのが白眉。
その結果、仲間の死を事故に偽装するという、バッドエンドまっしぐらのルートを突き進むことに。
その一見浅はかとも思える行為や考え方は、ある意味で思春期の少年少女としてのリアルともいえるだろう。
そして、ここで見どころとなるのが息子の明を失った母親の描写だ。ドス黒く染まった負の感情をぶつけられる4人は、こうなってくると『スタンド・バイ・ミー』のような友情物語ではすまされないことは明白。
抉り取られていくかのように細くなっていく道を歩む4人の行く末には「イヤな予感しかしない」とだれもが思うことだろう。
そして巻末に待ち受ける、さらなる衝撃の展開。
4人を操る真犯人の正体には混乱必至。
まだまだ、この物語からは目が離せそうもない。
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<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。