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『あたらしいひふ』(高野雀)ロングレビュー! 女の見た目は「顔」じゃない、「服」にあるんだ――。 タイプの異なる4人の女性たちが繰り広げる「女×服」の複雑な関係

2017/11/15


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『あたらしいひふ』

『あたらしいひふ』著者の高野雀先生から、コメントをいただきました!

著者:高野雀

皮膚と被服は似ているな~とダジャレ発想から描いた同人誌マンガを、全ページ新しく描き直したものです。
この同人誌がきっかけで「フィールヤング」に描かせていただけることになったので、数年経った今、こうして祥伝社から単行本として出してもらえるのはなんだか不思議な感じがします。

「あたらしいひふ」をやり直すという気持ちで「13月のゆうれい」を描いておりましたので、重複しているところもあるかと思います。

楽しんで読んでいただけるとさいわいです。


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単行本デビュー作の『さよならガールフレンド』で、魅力的なモノローグや閉塞感あるリアルな地方都市の描写などで注目を浴びた著者の、最新短編集。
表題作となっている「あたらしいひふ」はもともと、その『さよならガールフレンド』の特設サイト上に無料公開されていたもの。共感の声が多く寄せられたことから、ほかに商業誌未発表の、ちょっとかわった性質を持つ高校生たちの連作短編「It’s your (new) ID.」や、高校の同級生だった男たちのすれ違いを描いた「Recycled Youth」などを収録、単行本化された。


1冊のなかにバラエティに富んだ短編たちが「ぎゅっ」とつまっており、読みごたえたっぷり。初めて読む人が楽しめるのはもちろん、「あたらしいひふ」は加筆修正も行われており、「Recycled Youth」はされていないそうなので、かつての絵のタッチとの違いを見比べるなど、変わった楽しみ方もできそうだ。


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「あたらしいひふ」は、同じ会社に勤める4人の女性たちの服にまつわる物語。
ひとりを主人公に、1話12ページほど。4人で4話とエピローグの、全部で50ページほどの作品なのに、4人それぞれの悩みや憧れがテンポよく交錯して、共感を呼ぶつくりになっているのがすごい。

単行本情報

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  • 『13月のゆうれい』 第2巻 Amazonで購入
  • 『低反発リビドー』 Amazonで購入

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