第8位(62ポイント)
『鬼滅の刃』 吾峠呼世晴
『鬼滅の刃』
吾峠呼世晴 集英社
鬼に家族を殺され、さらに鬼に変えられた妹を人間に戻すため、鬼狩りとして生きることになった少年・炭治郎の戦いを描く時代アクション。最新刊で炭治郎たちは鬼のなかでもトップクラスの力を持つ上弦の鬼と遭遇してしまう。それを迎え撃つは、鬼を討伐する組織・鬼殺隊の中でも最高峰のひとり、炎柱・煉獄杏寿郎。はたして柱が持つ力は人間をはるかに超越した上弦の鬼に届くのか? そしてこの戦いは見守ることしかできない炭治郎たちに何を遺すのか?
独特の絵柄やセリフまわしで連載開始からじわじわと人気を上げ続け、話が進むごとに加速度的におもしろさを増していく本作品。読み逃していたという方はぜひ、これを機に読んでほしい。
オススメボイス!
■炎柱である煉獄杏寿郎の戦いを描く。正統派でありながら、新しさも感じる。これまでで一番熱く心に残る巻だった(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
■しばしば、少年マンガの連載には、このくだりはぜひともみんなに読んでほしいというピークが存在する。本作の場合、今巻がそれなのではないか。煉獄杏寿郎の強き意志、秘めたる想い、熱い生き様に、ぼろぼろ涙がこぼれてしまうのである。煉獄が主人公である竈門炭治郎らへと託したメッセージの勇敢さに、心の温度は高くなるばかりなのだ。ギャグや茶目っ気も本来の持ち味だが、照れ隠しのないエモーションに圧倒されてしまった(森田真功/ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
第8位(62ポイント)
『先生の白い嘘』 鳥飼茜
『先生の白い嘘』
鳥飼茜 講談社
性被害者の女性を主人公にして、「男女の性の格差」という重々しいテーマを描き続けた本作がついに完結。
生徒である新妻と学校の外で出会っている写真が拡散されてしまい、校内からも厳しい目で見られるようになった美鈴。平然と心ない言葉を投げかけてくる生徒たちに対して、彼女が終業式で投げかけた言葉とは……?
途中途中で目を覆いたくなるような暴力描写もあった本作。それでもひとつのテーマについて真摯に向かいあって、ご都合主義的な救いに逃げることはなく、美鈴がたどりついた答えは必見。
オススメボイス!
■今だからこそ、目をそらさず、男女、中学生から大人までのすべての人に読んでもらいたい作品。マンガの悪影響論は相変わらず根強いが、問題から目を背けることが人を守ることにつながるとは思えない。問題を、理解し、受け止め、自分の頭で考えることが何より自分や大切な人を守る第一歩になるのではないだろうか?(稀見理都/エロマンガ研究家)
■想像の上をいくエンディングだった。けっしてスマートではなかったかもしれないし、青くさい理想論のように感じた人もいたかもしれないけれど、著者として、さらなる高みを目指そうとする、鳥飼先生の強い意思表明のように感じた(小田真琴/女子マンガ研究家)
第10位(48ポイント)
『198Xメモリーズ ~あの頃の俺たちに捧ぐ~』 井上和郎
『198Xメモリーズ ~あの頃の俺たちに捧ぐ~』
井上和郎 小学館
1980年代と2010年代、かつてと今では多くのものが大きく異なってしまったが、そのなかでも一番変わってしまったもの、それが“エロ”へのアクセスではないだろうか。
本作に登場する中学生たちの姿からはつい、そんなことを思ってしまう。著者が中学生時代のことを思いだしながら、当時の空気や出来事を回想していく本作だが、そこで語られるのは、ゲームセンターの脱衣麻雀や18禁のOVA、エロ本の自動販売機などの、エロ方面の思い出話ばかり!
ワンクリックでエロ画像にアクセスできる今の若者にとっては縁遠い世界かもしれないが、そういったHなものがひどく貴重な時代もあったのだ。だからこそゲーセンで女の子の裸を求めて、「エロってのは…、自分の手で勝ち取らなきゃ意味が無ぇんだよ!!」と語る主人公の姿には、当時にしか存在しえない熱さを感じてしまう。
千切れたビデオテープの修復手段やエロ自販機でのスムーズな購入方法など、身近で使える生活の知恵も盛りだくさん!
オススメボイス!
■「コロコロアニキ」世代にとってのなつかしい話がぎゅっと凝縮されています。ちょっぴりエッチな話になっているのはご愛嬌。あの頃って、スマートフォンもなかったよねー、とあらためてしみじみしながら楽しんで読んでいます(なみかわみさき/物書き)
■80年代を知っている者だったら、当然のように知っている内容が盛りだくさん! 何が泣かせるって、当時世に出てきたアダルトアニメについて、仮にも「コロコロ」を名乗る雑誌で熱く語ってるんですよね(笑)。さすがに諸問題を考慮してか、タイトルは微妙に変えてますけど、アニメ誌でもコッソリ情報が出るだけの知る人ぞ知る存在でした。直接関係ないですけど、アニメ『うる星やつら』で「くり○むレモン」のパロディー回があって、背筋が凍りついたのを思いだしましたよ……(笑)。(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
第10位(48ポイント)
『ロマンス暴風域』 鳥飼茜
『ロマンス暴風域』
鳥飼茜 扶桑社
『先生の白い嘘』に続き、今月は鳥飼茜の作品がもうひとつランクイン。こちらの主人公は風俗嬢に運命の出会いを感じてしまった30代男性! 巷の恋愛市場からすっかり取り残されてしまった、契約切れ間近の高校の臨時教員・佐藤は、たまたま入った風俗店の女性にあろうことか一目ぼれ。その後も、彼女が勤めるお店に通い詰め学生時代以来のロマンスを感じ、お店の外でも出会うようになったけれど……。
関係が深まるなかで、互いの現実と向きあわざるを得なくなっていく2人。恋愛弱者と風俗嬢という異質の2人が行きつく先は?
『先生の白い嘘』とはまったく違う作品でありながら、読んでいる読者の心にグサグサ刺さる、異質のラブロマンスです。
オススメボイス!
■女の生きづらさを描いてきた著者が、今度は男の生きづらさを描く。問題は男とか女じゃないけど、視点を変えれば見えてくるものがまた変わってくる。期待!(井口啓子/文化系ライター)
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