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【12月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】ハートフルファンタジー『乱と灰色の世界』著者の最新作が今月の第1位! 新作は……車としゃべる謎の男の旅物語!?

2017/11/20


業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。

今回のオトコ編第1位に輝いたのは『群青学舎』『乱と灰色の世界』などで80年代少年マンガを彷彿とさせる艶っぽさを持ちながら、きらめくファンタジー世界を描く、話題の作家・入江亜季の最新作! 今回の主人公は、なんと車とおしゃべりができる!? 北欧を舞台にした新しい入江亜季ワールドから目が離せない!

さらにランクインした作品にも注目! たしかな画力でマンガファンを魅了する巨匠・能條純一が天皇を描いた意欲作や、過去のキュートなお母さんの姿がフラッシュ・バックする青年の日常を『謎の彼女X』著者が描いた話題作……などなど、新たなドキドキわくわくを予感させるマンガばかり!

旬なマンガが多くランクインした今月のランキングを、アンケート回答者のオススメポイントとあわせてチェック!!

(2017年10月1日~10月31日発売作品を集計)


⇒⇒⇒ランキング「オンナ編」も要チェック!!


第1位(168ポイント)

『北北西に曇と往け』 入江亜季

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『北北西に曇と往け』
第1巻 KADOKAWA

アイスランド島で祖父と暮らす、御山慧・17歳。生活費と暇をつぶす2つの目的で探偵仕事を請け負う彼は、犬や人を探して愛車のジムニーで島を走りまわる生活を送っていた。だが、ある日、弟の三知嵩と連絡がとれなくなってしまい……。

『乱と灰色の世界』から2年ぶりとなる入江亜紀の新作は、アイスランドが舞台の探偵もの。車と会話ができるけれど女性は少し苦手な慧を始め、2人も孫がいるのに初対面の女性を平気でナンパをするジャックや、謎が多い美少女のリリヤなど物語を織りなすキャラクターの描き方もすばらしい。しかし何より注目すべきは舞台となるアイスランドの壮大な風景描写。 日本とは街並みも違えば自然のあり方も異なる。前作とはまったく異なる異国の地を鮮やかに描くその筆致は、読者を別世界へと誘ってくれる。

オススメボイス!

■入江亜季だからこそ描けるマンガ。北欧の生活や慣習にダイブさせられる空気感がすごい。そして、それぞれのキャラクターが魅力的(太田和成/TSUTAYA BOOK STORE 五反田店 コミック担当)
■岩のような手触りの見返しなど、造本がとにかくすごくて紙で持っていたくなる。第1話で読者がみな想像するだろう、ロードムービー的な物語が後半、サスペンス方向にねじれてきて……。今後の展開が気になる(漫画トロピーク/謎の社会人サークル)
■あいかわらずの素敵な作画。入江先生のマンガは綺麗な空気が流れているよう(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)
■入江亜紀の最新作。期待を裏切らない美しくセンスのよい画面構成と魅力的な登場人物、そして不穏なストーリーが織りなす、心の奥底をひっかくような不協和音が心地よい(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)


第2位(138ポイント)

『昭和天皇物語』 能條純一(著)半藤一利(作)永福一成(脚)志波秀宇(監)

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『昭和天皇物語』
能條純一(著)半藤一利(作)永福一成(脚)志波秀宇(監) 小学館

その歴史的な役割はだれもが知っているが、ひとりの人間としての在り方を語られることは少なかった昭和天皇。その昭和天皇の人生に『哭きの竜』『月下の棋士』を手がけた鬼才・能條純一、そして『竹光侍』『月をさすゆび』の永福一成が新たな光を当てる!

養育係の足立タカから見守られながらも、家族とは距離があった幼年期。周囲から敬われつつも本音で語るような友を持てなかった少年時代といった具合に、その人生を幼少期から丁寧に追っていこうとする構成に著者たちの気概を感じる。また、彼を教育する立場となった乃木希典や、東郷平八郎の姿を通じて伝わってくるあの時代の空気もすばらしい。
終戦直後の最初の会見であのマッカーサーを驚嘆せしめた昭和天皇がどのような人生を送り、どのように人格を陶冶してきたのか。平成も終わらんとする今だからこそ、読む価値のある一作だ。

オススメボイス!

■能條純一の秀抜な人物描写で昭和天皇の物語を読めるなんて、昭和天皇と20年間ほどながら、同時代を生きられた身として非常にうれしい。乃木希典や杉浦重剛ら傑物の放つオーラが画面から迫ってくる。少年時代の昭和天皇と御用掛・足立タカの関係が丁寧に描かれているところにも感銘を受けた(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
■マッカーサーが、連合国軍最高司令官に対して「私は全責任を負います」と語った天皇裕仁とはどのような人生を歩んできたのか、という述懐から始まる物語。昭和が遠くなった今にこそ、読みたい物語(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
■能條純一先生が昭和天皇を描く、っていう時点で、ある意味約束された感じでしたけど、やはり思ったとおりおもしろかったですね。まだ、天皇になる以前の話しですので、これから激動の昭和をどう生きたのか非常に楽しみです(種村理沙/KYTIMKYM管理人)


第3位(132ポイント)

『大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック』 植芝理一

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『大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック』
植芝理一 講談社

『謎の彼女X』でちょっぴり変わったラブコメを描いた植芝理一。その新作のヒロインはなんと母!
本作の主人公は高校生の鈴木実。思春期真っ最中の彼の最近の悩みは、ときどき死んでしまった父の記憶がフラッシュ・バックしてしまうこと。その記憶には若かった頃の母・鈴木綾(旧姓:大蜘蛛)が登場し、やがて実も母に恋をするようになってしまう……!

女子高生時代の母と、現在漫画家として活躍中の母。ひとりの女性でありながら、どちらも別タイプの魅力を持っており、ときどきその過去と現在が重なるような行動をとるから、実くんは平常心ではいられない。さらに日常のなかで、平気で無防備な姿をさらすものだから、煩悶しては頭を机に打ちつける日々。はたして実くんはこの思いはどこへ持っていけばいいのやら。
一見、母と子という禁断の関係を扱っているようだが、その内容は今のところ明るく楽しいラブコメ風味。この関係が今後どのように進んでいくのか、とても気になります。

オススメボイス!

■植芝理一は変態。母親がかわいすぎる……。いちおうまじめなことをいうと、父の記憶がフラッシュ・バックしているせいで、息子側の感情に影響を与えてしまっているので「この恋が本物か否か」という話に展開できそうですが、今のところそんなことはどうでもいいといわんばかりに、母親かわいいマンガになっており、いいと思います(漫画トロピーク/謎の社会人サークル)
■父親の青春時代の記憶がフラッシュバックし、母に恋してしまうマンガ。お母さんを好きになるマンガが好き! ……って人様になかなかいいづらいけど、それでも好き。ニヤニヤ必須の青春をおくっていた、父親は爆発してほしい(ふな/ブロガー)
■『謎の彼女X』の植芝理一さんの新作が、まさかの母に恋するマンガ! 昭和的なノスタルジーを感じさせつつ、フェチ心あふれる描写で、読者のハートをぐいぐいつかみにきてます。ブルマとかブルマとかブルマとか。(フラン/ブログ「フラン☆Skin」管理人)


単行本情報

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