都内最大級のメガターミナル・新宿駅から一大歓楽都市・歌舞伎町へとつながる地下のショッピングモール「新宿サブナード」。
歌舞伎町側のいちばん東端にあるのが「福家書店」だ。店舗のすぐ前には広いスペースの通称「1丁目広場」があり、アイドルや作家のイベントも頻繁に行われている。
店舗改装を経て、最近は雑貨を取り扱うようになった同店は、女性向けのショップが連なるモールという場所柄か、プレゼント品やインテリア用品を求める女性の利用客も増えているという。
そのサブナード店と、1丁目広場をはさんで向かい側にあるのが、今回お邪魔した「福家書店 新宿サブナードコミックストア」。
店長の大塚久克さんにお話をうかがったところ、増えてきている女性客の購入しているマンガに、どうやらひとつの傾向を見出せたようで……。
その傾向とは……なんと“食”だった!?
福家書店新宿サブナードコミックストア オススメの4冊!!
『深夜食堂の料理帖』 飯島奈美(著) 安倍夜郎(画)
『深夜食堂の料理帖』
飯島奈美(著) 安倍夜郎(画) 小学館 \907+税
(2015年1月16日発売)
厳密にはマンガから派生したレシピ本なんですが、もちろん安倍夜郎さんの描くマンガも掲載されています。
発売されるやあっという間に完売してしまいました。
やっと追加ぶんが入荷できたところで、私たちも驚いているところです。
まもなく映画も公開されるとのことで、その期待感もあってのことでしょうか。『深夜食堂』と一緒に売れています。
『ワカコ酒』 新久千映
『ワカコ酒』第4巻
新久千映 徳間書店 \562+税
(2014年12月20日発売)
本作はもはや“食”マンガの「定番」と言っても過言ではないでしょう。
主人公の女性が、毎話酒のつまみを楽しむ姿によだれが垂れる作品です。第1巻発売時から常によく動いています。
いわゆるグルメコミックブームがひと段落した後も、当店ではずっと売れているのはなぜなのか、調べたことはないんですが、ひょっとしたら、近くに飲食店が多数並ぶ歌舞伎町があるからなのかもしれませんね。
『幸腹グラフィティ』 川井マコト
『幸腹グラフィティ』第4巻
川井マコト 芳文社 \819+税
(2014年12月25日発売)
1月からアニメが放送開始されたことで人気が急上昇!
私は勝手に“アニメ版夜食テロ”と名づけています(笑)。
表紙からもわかるように、キャラクターももちろんかわいいんですが、それよりもすごいのは料理の描写です。
とにかくうまいんですよ! 見ていて思わすおなかがすいてしまうぐらいで、深夜に読まれるのはとうていオススメできません。
『ABLE』 伊藤明弘
『ABLE』第1巻
伊藤明弘 小学館 \552+税
(2015年1月19日発売)
「食」とはまったく関係ありませんが、最後に私のイチオシということでご紹介させてください。
完全に世代なので、連載再開に驚喜した『キン肉マン』とどっちにしようかと悩んだ末に、本作を挙げさせていただきます。
著者の伊藤明弘さんは拳銃や銃撃戦の描写に定評のある漫画家さんで、久々の単行本です。
1挺の拳銃が所有者を次々に変えてストーリーが進むのですが、大きな特色はセリフがほとんどないサイレントマンガである点で、動きやアクションのみで展開します。
表紙のイヌも作中に登場するのですが、なんと拳銃をぶっ放します! いったいどうやって撃つのかは……ぜひ読んでみてください。
マンガというジャンルにおいては、書店だけでなくアニメショップなど、競合店も多数ある新宿。他店でなかなか置いていないようなジャンルのマンガを取り扱うことで、より多くのお客様に愛されるようなお店にしたいと心がけています。