『車田水滸伝　HERO OF HEROES』第1巻
車田正美(作) 高河ゆん(画) 秋田書店 \562+税
（2015年2月20日発売）

『聖闘士星矢』が！　『リングにかけろ』が！　『風魔の小次郎』が!?

車田正美の産み出したヒーローたちが集い、神とのケンカを受けて立つ、まさに車田版『スーパーロボット大戦』もとい『車田水滸伝HERO OF HEROES』!!　言い得て妙！

ある日、『リングにかけろ』の主役・高嶺竜児と姉の菊は異世界に飛ばされてしまう。気がつくと竜児の前には、同じく異世界に飛ばされたライバル・剣崎順の姿も！
そこで竜児は剣崎からいきなり決め技のフィニッシュブローであるギャラクティカマグナムを喰らいそうになる。幻の大陸アトランティスに皇帝から代々「それを手に入れたものは世界を制する」と伝わる、オリハルコン製のカイザーナックル。竜児はその正統な後継者にもかかわらず、それを海に捨てた。そして、それは世界の覇者になることを放棄したこと、神を冒涜するに等しい行為で「神の怒りを買った」からだというのだ。
そのピンチの竜児を助けるべく登場したのは、風魔の小次郎!!!!!?

一方、竜児とはぐれた姉の菊は、まるで「おとぎ話のお姫様のような」お嬢様、『聖闘士星矢』の女神アテナである城戸沙織と出会い、この異世界が「（ここは）アトランティスよ」と教えられる。
沙織は、自分たちがアトランティス大陸に飛ばされたということは、神が強引に「神話」をもとに戻すため（＝揺り戻し：アフタークラッシュ）、星矢たち聖闘士の象徴である、聖衣（クロス）の存在しない世界を作り出したと言うことを知る。
そう、聖衣（クロス）もまた、『リングにかけろ』の竜児が手放したカイザーナックルと同様、アトランティス文明の生んだ幻の金属オリハルコン製（正確にはオリハルコンと星砂粉とガマニオンが必要）だからなのだ。

剛剣とブーメランテリオスで迫りくる敵を共闘で倒す竜児と小次郎。作品は違えど、アツい血潮は同じ！

そこまでして、いったい、神々はどう世界を作り直したいのか…？　ただ、今はまだ、この異世界に飛ばされてきた車田ヒーローたちが集っていく様が描かれているのみだ。