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『かくかくしかじか』(東村アキコ)ロングレビュー! ”描くしかなかった少女”が出会った人生の恩師。漫画家になった東村アキコを支えた“言葉”とは?

2015/04/22


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『かくかくしかじか』第5巻
東村アキコ 集英社 \743+税
(2015年3月25日発売)


育児マンガ『ママはテンパリスト』が大ヒット、『主に泣いてます』『海月姫』のあいつぐ映像化、そしてついには本作でマンガ大賞受賞! 『かくかくしかじか』はついに天下を獲ったかに見える東村アキコ先生の自伝的マンガではあるのだが、そこに描かれるのは立身出世の物語やビルドゥングスロマンなどでは決してない。
なにしろ恩師、日高健三先生に初めて出会った高校3年生のころから、東村先生はたいして「成長」していないのだ。

舞台は東村先生の故郷、宮崎県。
美大を受験することを決めた若き日の東村アキコ=林明子は、友人の紹介で海沿いの小さな絵画教室に通うことになる。
そこで竹刀をぶん回しながらジャージ姿で熱血指導していたのが在野の絵画教師、日高先生だった。

反抗もしたものだが、なんだかんだで美大生時代も、会社員時代も、漫画家になってからも、東村先生はこの教室に通い続けた。
恩師との交流を中心に、漫画家になるに至った「かくかくしかじか」が、ユーモアと切実さとをもって描かれている。

自分のことを天才だと思っていた林明子(高3)はいきなりその鼻っ柱をへし折られることになる。

自分のことを天才だと思っていた林明子(高3)はいきなりその鼻っ柱をへし折られることになる。

単行本情報

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