■4位 ネット時代に誕生したピカレスクヒーローの目的とは?
『予告犯』 筒井哲也
『予告犯』第1巻
筒井哲也 集英社
SNSで炎上騒ぎを起こした者たちに制裁を加える謎の男・「シンブンシ」と、彼らを追う警視庁のサイバー犯罪対策課の攻防を描く物語。当初は単なる愉快犯かと思われたシンブンシが、社会的弱者の鬱屈を代弁するかのような行為を続けるうちに、次第にネット上で支持者を増やしていく過程が、危険なほどに生々しい。
犯罪者に同調するのがよくないことぐらい誰でもわかってるとは思いますが……この作品を読むとそうとも思えなくなってくる。ダークサイドに呑みこまれないよう、みなさんも気をつけましょうね!
■5位 不死身のボディを手にした“普通の人間”がネットを使って私的制裁!
『いぬやしき』 奥浩哉
『いぬやしき』第1巻
奥浩哉 講談社
謎の物体の墜落に巻きこまれたことをきっかけに、機械の体を得た初老の男と少年を描く本作。
その能力を、不器用ながらも人助けのために使おうとする老け顔の58歳・犬屋敷壱郎(いぬやしき・いちろう)とは対照的に、高校生の獅子神皓(ししがみ・ひろ)は私的な制裁も辞さない暴走を始める。しかし、獅子神の自宅住所が匿名掲示板に書きこまれたことにより、母親が自殺。そしてその無責任な行為を楽しんでいた者たちが全員、インターネット経由で射殺されるという報復に──。
もちろんこれはフィクションですが、「おっと誰か来たようだ」は、油断していると現実にならないとも限りませんからね……。
■6位 なにこれ、超使えるアプリじゃん! ……と思ったのもつかの間。代償が大きすぎた!
『神アプリ』 栗原正尚
『神アプリ』第1巻
栗原正尚 秋田書店
ある日自宅に届いた謎のスマートフォンとアプリにより、万能とも言える能力を手に入れた主人公。
ラブホをのぞき見するなど、欲望のおもむくままに「神アプリ」を使うが……待っていたのは巨額の使用料! その返済のため、「犯罪者狩りアプリ」のハンターとして、半ば強制的に参加させられることになってしまう。
物語が進むにつれ、ほぼ超能力レベルとなっていく「神アプリ」はさすがに現実にはないと思いますが、調子に乗って使いすぎた結果、その請求額にビックリ! ということは非常に現実的です。はい。