■7位 26歳・派遣社員……そのひそやかな楽しみは、コスプレだった!?
『コンプレックスエイジ』 佐久間結衣
『コンプレックスエイジ』第1巻
佐久間結衣 講談社
ガチのコスプレイヤーたちの世界を描くこの作品、オタク趣味がテーマであるだけにネットやSNSの描写も非常にリアル。
コスプレイヤー同士の交流ツールとして使われているのはもちろんのことだが、時にはネット上に公開したコスプレ写真に心ないコメントがつけられることも……。
コスプレイヤーのリアル社会での人づきあいや加齢の悩みなど、ともすればドロドロになりそうなテーマにも斬りこんでいく本作品ですが、ネガティブな書きこみにも心折れない主人公の生き方は、今回紹介するなかではレアケースともいえる、ネットとのつきあい方の正解例かも?
■8位 ケータイが命をつなぐ唯一のアイテム!
『未来日記』 えすのサカエ
『未来日記』第1巻
えすのサカエ KADOKAWA
未来を予知する日記の所有者たちによるサバイバル・バトルを描く物語。アニメ化やドラマ化も果たした作品なので、ご存じの方も多いことでしょう。
原作の連載当時はまだスマホが存在せず、“携帯依存症”的なのは一部のキャラクターだけでしたが、携帯を片手に命がけのバトルに挑む主人公たちは、バーチャル世界の絡んだデス・ゲームの元祖的存在。
そして、作中では携帯を物理的に破壊されることが死に直結していますが、実際に「携帯なくしたら死んだも同然」って人いませんか!?
■9位 少年・少女の願いをかなえてくれるのは「愛のアプリ」!?
『i・ショウジョ+』 高山としのり
『i・ショウジョ+』第1巻
高山としのり 集英社
「魔法のアプリ」によって起こる騒動を描くオムニバスコメディ。基本的には、ちょいちょい“ラッキースケベ”なんかもあったりするラブコメ作品ですが、ときにはアプリに頼りすぎて不幸になることも……。
特に「欲望のアプリ」なんてものがもし存在したら、その魔力に抗うことは難しいかも!?
■10位 世界を揺るがすサイバーパンクニンジャがハッカーと対決。イヤーッ!イヤーッ! Wasshoi!!
『ニンジャスレイヤー』 余湖裕輝
『ニンジャスレイヤー ~マシン・オブ・ヴェンジェンス~』第1巻
ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ(作) 余湖裕輝(画)
本兌有+杉ライカ(訳) わらいなく+余湖裕輝(キャラクターデザイン) KADOKAWA
サイバーパンク的な世界と、「思いっきり間違ったジャパニーズ観」で人気を博す本作。
この世界におけるインターネットのようなシステムである「IRCネットワーク」は、主にタイピングのスピードでハッカーの能力の優劣が決するというおそろしい世界! ハッカーニンジャのタイピングスピードの前には、ネットワーク越しに死亡する事例も……。インターネットこわい!!
■番外編 ネットの社会においてもデューク・東郷の銃弾は的確に敵を貫く!
『ゴルゴ13』 さいとう・たかを
『ゴルゴ13』第179巻
さいとう・たかを 小学館
時代を超えて最強の暗殺者の座を守り通す男・ゴルゴ13は、インターネットの世界でももちろん最強。
近作『G13ファイル』のエピソードでは、告発サイトを運営するハッカーの手により、アメリカ政府の秘匿していたゴルゴ13に関する報告書「G13ファイル」がネット上に流出する危機にさらされる。しかしゴルゴ13は、そのデータを持つ男・ジョルダンの死生観をも変える狙撃を敢行。「G13ファイルに関わる者は必ず殺される」という伝説が流布され、永遠にデータは守られる──という顛末に。
うっかりRTしただけで殺されるデータも、この世のどこかにはあるのかも……?
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。