話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『朝まで待てません!』
『朝まで待てません!』著者の田中メカ先生から、コメントをいただきました!
『朝まで待てません!』第1巻
田中メカ 白泉社 \429+税
(2015年12月4日発売)
クール美女VSほんわか青年。
同じ売れっ子漫画家を担当する2人は、ライバル編集者同士。
シビアなビジネス関係かと思われた距離が、予想外のスピードで縮まって……?
田中メカ待望の新作は、業界もののおもしろさにときめきをたっぷり振りかけた「オシゴトLOVE」ストーリーなのだ。
さて、まず青年編集者のほうをご紹介しよう。
大友順平、「月刊マーチン」編集部所属。
担当している超人気漫画家の猪苗代メグミ(男性)先生には「ぺーくん」と呼ばれている。
そして順平が前から憧れていた、「ヤングビースト」の敏腕編集者・水落に初めて会ったのも、その猪苗代先生の修羅場の真っ最中。
水落を豪放磊落なベテラン編集と思いこんでいた順平の想像は、みごとに裏切られる。
フルネームは水落夕子。「完全無欠のサイボーグ」という異名を持つ、バリバリ仕事のできる美女だったのだ。
2誌の締め切りが重なったため、これ以上ないほど追い詰められた猪苗代先生の仕事場。
こんなところで、しかもライバル誌編集の男女がどうやって恋愛に進むわけ? と思うが、これがじつにうまい展開。
ビジネスモード全開の夕子に対し、まずは順平が“いやし力”を発揮する。
これに拍車をかけるのが、猪苗代先生の数々の無茶ぶり。
2人にカラミのモデルをさせてしまうあたりは、かなりの確信犯。
でも先生こそが、彼らの恋の進展に欠かせない重要なキーパーソン。
なにげに小細工までしたりして裏で糸を引く彼は、本当に“恋の神さま”である。