業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
今月の「このマンガがすごい!」ランキングが、編集部内で大きな波乱を呼んでいます!
な、なんと「このマンガがすごい!WEB」を運営している宝島社から刊行された埼玉ディスマンガ『翔んで埼玉』に票が集中、圧倒的な票数を獲得! 自社刊行がランクインすることは、「このマンガがすごい!WEB」初。それどころか、10年以上の歴史を持つ本誌『このマンガがすごい!』でも、今まで1回も起こらなかったのです。
選者のみなさんの熱い想いはみなさんに届けたい! とはいえ自社の作品をランクインさせるのも、マンガのガイドを担う立場として公平性に欠けるのでは……という意見も出ました。いったいどうすれば!?
前代未聞の事態にとまどう「このマンガがすごい!」編集部。悩みに悩んだ末、『翔んで埼玉』については「ランク外」とし、以下のランキング発表とさせていただきました。
(2015年12月1日~12月31日発売作品を集計)
第1位(96ポイント)
『朝まで待てません!』 田中メカ
『朝まで待てません!』
田中メカ 白泉社
青年マンガ誌の編集者・順平は、他社のライバル誌にたずさわる完全無欠な美女・夕子にひそかに憧れていた。
そんな2人が別の出版社に勤めながら同じ漫画家を担当することとなり、破天荒な担当作家から繰り出される数々の無理難題に取り組むうちに、少しずつ距離が近づいていく。
大好きなマンガを仕事に選び、その現場で得た出会いが恋愛へと変化していく、まさに夢のようなラブコメ。「壁ドン」などの胸キュンシチュエーションも見どころです。
オススメボイス!
■大型ワンコみたいな順平君とクールビューティーな夕子さん、2人のマンガ編集者のお仕事ラブコメ。これぞ田中メカの真骨頂! という感じで、とにかく大好きな作品です。順平くんと夕子さんがお互いの仕事ぶりを尊敬しあっているのも、とても素敵なのです!(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
■田中メカがニヤニヤ赤面ラブコメにステータス全振りしたらここまでできるんだぞ! という感じ。ニヤニヤ止まらぬすばらしい大人ラブコメです(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
■「AneLaLa」連載ということでいつもより対象年齢高め、で編集者同士のお仕事恋愛マンガ。That's 少女マンガ! という感じの王道胸キュンストーリー。過度に甘々もドロドロもしてないので、万人におすすめ(冬蜂/風俗情報サイト「フーゾクDX」制作)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第1位【ランク外※】(166ポイント)
※自社発売のため、正式ランキングからは除外します。
『翔んで埼玉』 魔夜峰央
『翔んで埼玉』
魔夜峰央 講談社
このマンガがすごい! いや、この埼玉ディスマンガがすごい!
ネットで大反響を呼び、『月曜から夜ふかし』などのテレビでも取り上げられた魔夜峰央の不朽の迷作(!?)『翔んで埼玉』が、宝島社から復刊!
本来であれば、圧倒的得票数でオンナ編第1位にランクイン! とご紹介するところですが、自社の作品ということもあり、今回はランク外という形でご紹介させていただきます。
「埼玉から東京に行くには通行手形がいる」
「埼玉県民にはそこらへんの草を食わせておけばいい!」
などなど、ひどすぎる埼玉ディスが作中に散りばめられている本作。しかし、その突き抜けたギャグセンスには、埼玉県民も「参りました」と笑ってしまうはず!
※なお、年間ランキングを決める『このマンガがすごい!』本誌における本作、および自社の作品の扱いは、再度検討したうえで、アンケートご協力者様にアナウンスさせていただきます。
オススメボイス!
■反響を受け、刊行直前になんと20万部もの増刷を決めた宝島社の英断および商魂には見習うべきところ多々ありかとも感じた。ヒゲのOL以来、TVが火付け役となるベストセラーとなるかどうか。群馬、埼玉の次はどこがとりあげられるのだろうか(今村方哉/レコード会社勤務)
■深夜バラエティ番組などで、にわかに有名になった魔夜マンガが、「このマンガがすごい!」から復刻 (黒鈴/電子書店スタッフ)
■埼玉ディスりマンガとしてテレビなどでも取り上げられた怪作。
埼玉に行くには通行手形が必要とか、「年貢を納めている」とか、ここまですると逆に怒られないのか?といろいろ心配してしまいます。まあ、冒頭に「実在の地名とはまったく関係ない」とあるので、頭カラッポにして読むのが正しい読み方です!(麻野昌三/わんだ~らんど なんば店店長)
■埼玉出身者は、この復刊に悲鳴を、そして内心歓喜の声をあげています……(倉持佳代子 /京都国際マンガミュージアム研究員 )
■とにかくおもしろすぎ! 昨今のお笑い顔負けのボケっぱなしの高度なギャグセンスは30年という歳月を感じさせない。ケンミンショー地方再発見ブームを経たという意味でも、やっと時代が追いついた! と感嘆したくなるナウな1冊(井口啓子/よろずカルチャー編集&ライター)
■ついに差別極北マンガ復刊! 80年代前半と魔夜先生の絵もギャグもキレッキレ。どうやら爆発的に受けているようで、リアルタイム読者も涙(澤水月/ 報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
「ロングレビュー」でのご紹介は、コチラ!
著者インタビューは、コチラ!
配信中の試し読みマンガは、コチラ!
第2位(84ポイント)
『東京タラレバ娘』 東村アキコ
『東京タラレバ娘』
東村アキコ 講談社
高度経済成長期の東京。気のあう女友だちに囲まれておいしいお酒と楽しく充実した日々を過ごしていたフリーの脚本家・倫子は、アラサーという年齢がもたらす恋愛や結婚のままならなさに打ちのめされ、仕事も恋も勢いだけでなんとかなるほど若くないという事実を認識する。
仕事でも窮地に追いこまれた倫子が「宝くじで1億円」レベルの男性に出会う第3巻では、さらに予想の上をいく壮絶な展開が発生。
主人公たちと同世代の女性のみならず、様々な層の読者により深くつきささった巻だったといえます。
オススメボイス!
■これも泣けるんだけど……ほかのマンガとは違う涙が出てきます。刺さりすぎて痛い。痛くて涙出るって感じです。タイムマシーン女の話はゾッとしました(ホシ/美女マンガ編集部)
■失速の予感が見えない疾走ぶりで、読者を引っかきまわしてくれる、そのパワーに。『このマンガがすごい!2016』では、本作が「ホラー」と評されていますが、まさにそれ。必読です(境真良/国際大学GLOCOM客員研究員)
■今後の展開がますます気になる作品です、早く続きが読みたいです(旭屋書店なんばCITY店 平田/コミック担当)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
「日刊マンガガイド」での既刊(第1巻)ご紹介は、コチラ!
「日刊マンガガイド」での既刊(第3巻)ご紹介は、コチラ!
著者インタビューは、コチラ!
第3位(76ポイント)
『ずっと独身でいるつもり?』 雨宮まみ(案)おかざき真里(著)
『ずっと独身でいるつもり?』
雨宮まみ(案)おかざき真里(著) 祥伝社
都内でひとり暮らしをしながら、出版関係の仕事にたずさわる36歳の女性・まみは親から「かわいそう」と言われてしまう。
ずっと続く孤独への恐怖から、元彼と再会して心が揺れる由紀乃や仕事にまい進するあまり恋愛がおざなりになってしまったシミズなど、“アラサー”というキーワードがもたらす社会からの圧迫や自分のなかの葛藤を描くオムニバス。
原作のエッセイ以上の迫真性が読者に強烈な印象を与えました。
オススメボイス!
■名前で買うか躊躇しましたが(笑)、「私は怒っているんだと思う」から始まる怒涛の吐露は、「そうなの! そうなんだよ……涙」読んでて、登場人物達と一緒に話している気分になり、いつの間にか涙ぐんでました。でも読後感はスッキリ。さすがおかざき真里先生×雨宮まみ先生!(ホシ/美女マンガ編集部)
■雨宮まみのエッセイとおかざき真里の絵の相性のよさが生む殺傷力の高さ(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!