第4位(72ポイント)
『WHITE NOTE PAD』 ヤマシタトモコ
『WHITE NOTE PAD』
ヤマシタトモコ 祥伝社
ある日突然、女子高生の小田薪葉菜(おだまき・はな)と、自動車工の木根正吾(きね・しょうご)は人格が入れ替わってしまう。
2人は1年後に偶然再会するが、葉菜(木根)は人生経験を武器に自分の容姿を磨き、読者モデルとして活躍しているものの、木根になった葉菜のほうは、記憶喪失扱いされて失業、清掃業のバイトをしながら孤独に暮らしていた……。
“心と身体の入れ替わり”をテーマにしたマンガのなかでも、異色の設定。いい意味で予想を裏切る展開が注目された作品です。
オススメボイス!
■少女と中年男性の入れ替わりもの。どちらの視点でも納得の人物描写・感情描写となっているのは、BLも手掛けるヤマシタトモコ先生なればこそなのかもしれません(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
■「男女入れ替わり=思春期男女のエッチなドキドキ胸キュンもの」という固定概念を覆す問題作。「わたし」という自己存在を根底から揺さぶるという意味では、押見修造『ぼくは麻理のなか』に通じるものもあり。目が離せない要注目作(井口啓子/よろずカルチャー編集&ライター)
■30代中頃の男性と入れ替わる、という話は珍しくないが、 双方に面識がなく、しかも1年経ってようやく遭遇する という設定はおもしろい。新しい人生にうまく適応したように見える側が、 実際は上から目線を周囲にも知られているという皮肉。でもそのゲーム感覚は、そうして生きざるをえなかったがための適応能力ゆえである。 人生が変わることで、できないこともあるが、できることもある。 本作の入れかわりは性別も超越しており、さらにお互いの記憶も混濁してきており、 精神的なSFとしての深みも増していく。著者の冒険の行方を見守りたい(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第5位(62ポイント)
『獄都事変』 あおのなち(画)リンネ堂(作)SUNPLANT(協)
『獄都事変』
あおのなち(画)リンネ堂(作)SUNPLANT(協) KADOKAWA
閻魔庁の「特務室」に所属する「獄卒」の斬島(きりしま)は上司の肋角(ろっかく)から「亡者を捕まえろ」との指令を受ける。
斬島は、亡者が逃げこんだという怪談の棲む廃校へ向かう……。
フリーゲームダウンロードサイトで、ダウンロードランキング1位を獲得した大人気ホラーゲームが、ついにマンガ化。
秀逸な世界観とゲームではなかなか認識しづらい設定なども盛りこまれて、マンガならではのエンタテイメントとなった点に注目です。
オススメボイス!
■フリーゲームのコミカライズ。ゲームだけでは明らかにされていない設定がさりげなく随所に散りばめられていて、世界観の広がりを感じさせる(加山竜司/フリーライター)
■もとは大人気フリーゲーム。あのゲームがここまでのマンガに仕上がるとは……あおのなち先生に乾杯(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)
第6位(44ポイント)
『女の友情と筋肉』 KANA
『女の友情と筋肉』
KANA 講談社
筋肉隆々のマッスル女子3人組、イオリ、マユ、ユイの日常を描く4コママンガ。
見た目がいかつい3人はそれぞれアパレル、メーカー、商社でしっかり働くうえに、女子力もバツグンで、全員が彼氏持ち。
見た目のインパクトにギョッとさせられて、手にとってしまったのが運のつき。そのおもしろさとチャーミングなキャラクターにハマって、第3巻も堂々のランクイン。
オススメボイス!
■あいかわらずのおもしろさ。こんな女の子が友だちにいれば、女子力あがりそう。今回はちょっとじーんとくるお話もありました(穂高茉莉/楽器店店員)
■待ちに待った第3巻目!! 読んだことない人はもったいないです(旭屋書店なんばCITY店 平田/コミック担当)
「日刊マンガガイド」での既刊(第1巻)ご紹介は、コチラ!
第6位(40ポイント)
『少女漫画のはじめかた』 筒井美雪
『少女漫画のはじめかた』
筒井美雪 白泉社
マンガが大好きな非モテ女子高生・鶴子は、なぜかクラス一の完璧イケメン・ 水嶋くんに告白される。
罰ゲームか人違いだと言いきる鶴子に、水嶋くんはグイグイ正攻法で迫ってくる!?
壁ドン、コスプレ、そして2人きりの放課後の部室……と、“お約束”もたっぷりの正統派少女マンガの登場を喜ぶ声が多数です。
オススメボイス!
■オタ女子とイケメン男子のラブストーリー。「少女マンガ」ならでは題材といえよう(廣澤吉泰/ミステリマンガ研究家)
■喪女なのにモテるなんてうらやましい! でもヒロイン・鶴子はいい子なので、イケメン男子・水嶋くんとの恋をこれからも見守っていきたいです。『私がモテてどうすんだ』が好きな人におすすめ(穂高茉莉/楽器店店員)