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『さらば、佳き日』(茜田千)ロングレビュー! 僕の妻は妹でした――穏やかな日常を守る大きな「秘密」とは…

2016/03/02


肉親や知り合いに引っ越し先を告げずにスタートさせた新生活。2人を見とがめる人はだれもいない安住の地ではあるが、“逃避行”をしている後ろめたさはつきまとう。
籍を入れることも、子どもをもうけることもかなわない。それでも2人でいられさえすればいい……至上の愛のドラマはこれからどこへ向かうのだろうか。

子どもが好きで保育士の職を選んだ晃に、桂一は思わず「やっぱり子どもほしいか?」と尋ねてしまう。しかし、晃の気持ちは揺るぎないもので……。

子どもが好きで保育士の職を選んだ晃に、桂一は思わず「やっぱり子どもほしいか?」と尋ねてしまう。しかし、晃の気持ちは揺るぎないもので……。

第2話から、物語は2人の過去にさかのぼる。
おっとりした長男坊で悪くいえばヘタレの桂一。一方の晃は小さい頃からしっかり者で、共働きの両親にかわってせっせと兄の世話を焼いていた。ほほえましいほど仲のいい兄妹の幼い日々。

桂一が同級生女子を家に連れてきたことにイライラする自分に気づいた晃。ある日ポロリと“好き”と伝えてしまい……それは晃が中1、桂一が高1のときのことだった。

桂一が同級生女子を家に連れてきたことにイライラする自分に気づいた晃。ある日ポロリと“好き”と伝えてしまい……それは晃が中1、桂一が高1のときのことだった。

やがて思春期を迎え、お互いを想う気持ちが特別な気持ちだとわかった瞬間。そして、晃が唯一引っ越すことを告げた親友の珠希が今後どのようにストーリーに絡んでくるかも見どころだ。

血のつながった兄妹の恋愛は、少女マンガではよく描かれてきたテーマである。
しかし、はじめから“夫婦”と名乗って暮らす物語は珍しい。
その覚悟のほどが、“禁断の愛”といったセンセーショナルなキーワードを拒むのだ。


単行本第2巻 もうすぐ発売!!

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『さらば、佳き日』第2巻
茜田千 KADOKAWA ¥650+税
(2016年3月15日発売)

2016年3月15日にコミックス第2巻発売決定!!
現在予約受付中です。



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

単行本情報

  • 『さらば、佳き日』第1巻 Amazonで購入
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