「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。
アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の新企画がスタート!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品をレビュー! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!
今回紹介するのは、『僕のヒーローアカデミア』
本日4月3日からついに放送が始まるTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』!
すでに発表されているスタッフ陣、キャスト陣、さらにプロモーション映像などから、期待は高まるばかりだ。放送開始まであと1時間をきったが、放送前に、あらためて現在公開されている情報を整理しておきたい!
まず監督は長崎健司、シリーズ構成と脚本を担当するのは黒田洋介であることがアナウンスされている。熱いガンプラバトルの世界を描き切り、各方面から賞賛のあいついだ『ガンダムビルドファイターズ』を手がけたコンビが、今度はヒーローたちの世界に挑む。 すでにその時点でかなり期待値は高いのだが、それに加えてキャラクターデザインは『ハートキャッチプリキュア!』をはじめ、数々の作品で知られる馬越嘉彦となると、さらに楽しみな気持ちと、原作のファンにとっては「よかった、大丈夫だ!」的な安心感も高まることだろう。
本作はそもそも、人類の約8割が何らかの特殊能力(作中ではそれを「個性」と呼ぶ)を持つようになった世界が舞台ということで、その能力の描かれ方や、個性を悪用する犯罪者・敵(ヴィラン)や、競い合うライバルやヴィラン(悪役)とのバトルといったところも、アニメ化するにはうってつけの作品。すでに公開されているPVからもそのクオリティの高さの片鱗がうかがえるが、実際に動いているところを早く観たい! と、心待ちにさせられる。
そしてもちろん、ヒーローへの憧れを誰よりも強く持ちながら、残念なことに「無個性」(=特殊能力のない凡人)である主人公の緑谷 出久(みどりや・いずく、通称デク)をはじめ、それぞれのキャラクターが抱えている事情や決心、コンプレックスなども、このアニメスタッフならばドラマチックに描いてくれるに違いない、と信じてやまない。
またキャスト陣も、“無個性”ながらヒーローを目指す熱いハートを持つ主人公を『弱虫ペダル』の小野田坂道役などで知られる山下大輝、彼を導く頼れるナンバーワンヒーロー・オールマイト役に三宅健太……と、それだけでも「うわ、ピッタリ!」としか言いようのない人選。ほかに岡本信彦、佐倉綾音、悠木碧といった人気声優が脇をガッチリと固める。 まさしくこのスタッフ&キャストの布陣ならば、作中で象徴となるキーワード「Plus Ultra(更に 向こうへ!)」を体現してくれるんじゃないだろうか。とにもかくにも、放送日を心して待とう!
『僕のヒーローアカデミア』のアニメを観たあとは……
何を隠そう、「このマンガがすごい!WEB」は、マンガの情報サイト! そんなわけで、アニメ『僕のヒーローアカデミア』を心待ちにしているアナタに、読んでほしいマンガを紹介しちゃいますよっ。
『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平
『僕のヒーローアカデミア』第1巻
堀越耕平 集英社 ¥400+税
(2014年11月4日発売)
主な舞台となるのが、「ヒーローを多く輩出する名門難関高校」というだけあって、登場人物はかなり多めの本作。しかも主要なキャラクターたちは、制服姿とヒーローコスチュームの2つの姿があるので、初見ではすぐにキャラクターを覚えられないかも? アニメ放送前に原作マンガを読んで、あらかじめキャラクターだけでも予習しておくのもいいだろう(まぁ一度読み始めると、ストーリーにのめりこんで、グイグイ読み進んじゃうと思うけど……)。なお、単行本ではキャラメイキングのラフスケッチや裏話なども収録されているので、そちらも必見!
『僕のヒーローアカデミア』第1巻の「日刊マンガガイド」での紹介はコチラから!
『逢魔ヶ刻動物園』堀越耕平
『逢魔ヶ刻動物園』第5巻
堀越耕平 集英社 ¥400+税
(2011年8月4日発売)
原作者である堀越耕平の連載デビュー作。呪いによってウサギの獣人に姿を変えられてしまった動物園の園長と、動物好きの超ドジっ子JKの奮闘を描く。この作品自体も『僕のヒーローアカデミア』の原点と言える要素が散見されるが、なんといっても単行本第5巻に収録されている読切作品『僕のヒーロー』が要注目。そこから発展したのが『僕のヒーローアカデミア』だが、主人公がサラリーマンであるなど、大きく違う点も興味深い。
<文・大黒秀一>
主に「東映ヒーローMAX」などで特撮・エンタメ周辺記事を執筆中。過剰で過激な作風を好み、「大人の鑑賞に耐えうる」という言葉と観点を何よりも憎む。