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地球の歴史に“千葉”の名が輝く? 白亜紀、ジュラ紀に並ぶ新時代の到来をマンガで解説!!【週刊「このマンガ」B級ニュース】

2016/03/15


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「77万年前の地層に千葉の名が付くかも?」について。


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『千葉のおきて チバを楽しむための54のおきて』
千葉県地位向上委員会(編) ほそいあや(監) 泰文堂 ¥952+税
(2014年3月20日発売)

キミはチバニアンを知っているかッ!? 車にひかれて妖怪になった猫はジバニャンである。

そうではないッ!!

チバニアンとはラテン語で「千葉時代」を意味する。
千葉県市原市にある約77万年前の地層「千葉セクション」が、地質学上の時代名として採用される可能性が出てきたのだ。
「チバニアン」が国際地質科学連合の審査で選定されれば、地質時代に初めて日本の地名が付けられることになる。
「ジュラ紀」や「白亜紀」のように、「千葉時代」が世界中に浸透するかもしれない。

なんだかとてつもない話だが、マンガの世界では千葉を舞台にした作品は多く、すでに「千葉時代」が到来していたのだ。
といったわけで今回は、マンガでいち早く「千葉時代」を体感してみよう。

千葉ドリームッ!


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『僕だけがいない街』第1巻
三部けい KADOKAWA ¥580+税
(2013年1月25日発売)

まずは現在テレビアニメが絶賛放映中の『僕だけがいない街』だ。

「ヤングエース」(KADOKAWA)連載の原作マンガは3月4日発売の4月号でついに最終回を迎え、そして藤原竜也主演の実写映画は3月19日に公開が予定されており、いまもっともホットな作品といえるだろう。
本作は、“再上映(リバイバル)”という時間をさかのぼる能力で現在(2006年)と過去(1988年)を行き来しながら、連続幼児殺害事件の真犯人を追うクライムサスペンスである。

コミックス1巻で主人公の母親が見かけた不審者の車は「習志野」ナンバーだし、6巻では主人公の自宅を「千葉県のアパート」と記しているから、現在(2006年)の作品世界は千葉を舞台にしていることが判明している。
また、駅前の風景から、船橋周辺をモデルにしているのではないかと推測される。

ちなみに、千葉県のかたちをそのままかたどったマスコット「チーバくん」でたとえると、船橋市の所在地は下あごの位置だ。


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『U-31 完全版』上巻
綱本将也(作) 吉原基貴(画) 講談社 ¥1,200+税
(2008年11月5日発売)

さて、話題の「千葉セクション」がある市原市を舞台にした作品といえば、『U-31』だ。

『GIANT KILLING』でおなじみの原作者・綱本将也が最初に手がけたサッカーマンガである。
アトランタ五輪で主将として活躍したものの、2002年時点で戦力外通告を受けた主人公・河野敦彦が、古巣のジェム市原で再起を誓う。ジェム市原は、もちろんジェフユナイテッド市原・千葉をモデルにしたクラブだ。

ベテラン選手のカムバックを題材にした硬派なスポーツ作品だが、テレビドラマ『木更津キャッツアイ』でも有名になった「やっさいもっさい」など千葉のローカルネタが、作中の随所に散りばめられているのが特徴。
本作は、ジェフユナイテッド市原・千葉25周年記念作として、今夏に実写映画の公開が予定されているので、今から注目しておきたい千葉作品だ。

なお市原市の所在地は、チーバくんにたとえると胸前から左脇腹に位置する。


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『浦安鉄筋家族』第1巻
浜岡賢次 秋田書店 ¥419+税
(1993年6月発売)

また、千葉県には世界的に有名な富士額のネズミがいる。
みんなの大好きなマイクのいる場所。そう、浦安である。
そして浦安といえば、もちろん浜岡賢次『浦安鉄筋家族』を忘れてはならない。

暴力的に元気な小学生・大沢木小鉄を主人公として、その家族や友人らを巻きこみ、ザ・ドリフターズのコントを彷彿させるようなドタバタ・コメディを繰り広げるギャグマンガである。浦安をフィーチャーした回が多く、作者の前作『4年1組起立!』同様に、作品のいたるところに浦安愛を感じるハズだ。
途中で『元祖!浦安鉄筋家族』『毎度!浦安鉄筋家族』と改題しながら、現在も「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中。
連載開始からすでに20年が経過し、ギャグマンガとしては異例の長期連載にもかかわらず、あいかわらずハイテンションなギャグを展開している。
まさにギャグマンガの金字塔といえるだろう。

そして浦安市の所在地は、チーバくんでいえばベロの位置である。てへぺろ。


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『地球防衛少女イコちゃん』第1巻
あさりよしとお 白泉社 ¥505+税
(1999年12日発売)

そんな千葉県の知事を務めるのは、タレントの森田健作だ。
2013年には、およそ8割近い得票率を得て再選され、現在2期目に突入している。

森田知事は70年代に青春ドラマのスターとして大ブレイクしたものの、80年代の後半にはタレントとしての人気にかげりが見えていた。
そんな彼を支援していたのが、映画監督の河崎実であった。

河崎実といえば、『いかレスラー』『かにゴールキーパー』『日本以外全部沈没』『地球防衛未亡人』などを代表作とする、日本随一のカルト作家だ。
その河崎は若かりし日に「森田健作復活プロデューサー」を務め、森田健作のタレントとしての復活に手を貸していたのだ。

その縁があってか、河崎実が監督した『地球防衛少女イコちゃん』は、のちに文部省選定・防犯教育ビデオ映画としてリメイクされるが、そのときの製作総指揮を務めたのが森田健作であった。
作品自体は千葉県とは無関係だが、千葉県ゆかりの作品と言えなくもないはずだ。
なお、この『地球防衛少女イコちゃん』は、あさりよしとおの作画でコミカライズもされている。

ちなみに、県知事がいる県庁所在地の千葉市は、チーバくんでいえば喉元から首回りの位置だ。

ほかにも『弱虫ペダル』の総北高校、『日ノ丸相撲』の大太刀高校、『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』の原宿教育学園幕張秀英高校なども千葉県の設定である。
宝島社が『翔んで埼玉』で埼玉県にうつつを抜かしているあいだに、世間はすっかり千葉県に浸食されていたのだ。

千葉の立場が急上昇……って、え? ダジャレ落ち?
来たれ、千葉時代!



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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