第4位(86ポイント)
『終電ちゃん』 藤本正二
『終電ちゃん』
藤本正二 講談社
深夜の新宿駅で、今夜も「終電ちゃん」は乗客を終電に乗りこませる。酔っ払いや仕事でヘトヘトのサラリーマンたち、そして恋に傷ついたOL……。
乱暴な言葉で人々を終電に追いこみながら、必至に生きている人々に終電ちゃんは厳しくも温かい目を向けるのだ。
「終電」を舞台に、乗客たちのドラマが展開するニューウェイブ擬人化(?)マンガ。とにかく「終電ちゃん」がかわいい!
オススメボイス!
■電車の擬人化ならぬ、電車の精霊のような、しかも、終電という属性を持った電車にだけついてる謎の存在「終電ちゃん」。時には主役として、時には狂言回しとして、終電に関わるドラマを描き出す(soorce/オヤジ漫画系ブロガー)
■なるべくお世話になりたくないけど、こんなにかわいければ会ってみたくはある。そんな終電ちゃんの話(マキタマキナ/(成年)漫画愛好家)
■みんなが本作を読めば電車のなかでも、皆笑顔になるかも。自分は接続待ちの際に、懸命に走る女の子を夢想して、心穏やかに待ち時間を過ごすようになりました(杉山陽一/COMIC ZIN秋葉原店 コミックバイヤー)
■終電の擬人化というアイデアに膝を打った。しかもめちゃくちゃ人柄のいい終電ちゃんに癒やされる。人の本性が出やすい限られた条件での群像劇は現代社会に生きる人達には身につまされるものがある(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
■東京中央線の終電を舞台に描く働く大人のためのファンタジー。終電ちゃんの絵が萌えっぽいけど、言動がハードボイルドそのもので、かつ描かれるのは、じつに「モーニング」らしい社会派ドラマ。ついでに鉄道うんちくも多いのです(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
第5位(84ポイント)
『ゴールデンカムイ』 野田サトル
『ゴールデンカムイ』
野田サトル 集英社
アシリパの父親に関する情報を得た杉元たちは、父親と金塊の手掛かりを求めて難攻不落の網走監獄へと向かう。
道中で宿泊先に選んだ「札幌世界ホテル」には家永(いえなが)カノという妖艶な女性がもてなしてくれるが、彼女には恐るべき“秘密”があった……。
巻を重ねていくなかでやや中だるみの感があったストーリー展開が、この巻に至って急激な加速がかかったようで、いい意味で予想外の劇的変化に、うれしい悲鳴が寄せられました。2カ月連続刊行ということで、来月のランキングにも期待がかかります。
オススメボイス!
■祝・マンガ大賞2016受賞。第6巻では、これまで目立たなかった土方歳三、永倉新八が大暴れ。第7巻の展開が楽しみである(廣澤吉泰/ミステリコミック研究家)
■次々と繰り出される異色のキヤラが飽かせない(辻真先/アニメ脚本家・ミステリ作家)
■マンガ大賞2016、1位! 迫力あるシーンが満載。2016年気になるマンガのひとつです(宮脇書店本店/コミック担当)
第6位(68ポイント)
『無慈悲な8bit』 山本さほ
『無慈悲な8bit』
山本さほ KADOKAWA
小さい時から三度の飯よりゲームが大好きで、そのまま大人になってしまった脱サラ漫画家・山本さんが、自身のゲーム三昧ライフを赤裸々に描く。
ファミコン世代だったら誰もが懐かしく感じるはずの“あるある”がたっぷりつまった1冊。
同じ作者による『岡崎に捧ぐ』のキャラクターがゲスト登場したことも喜ばれました。
オススメボイス!
■いかにも「ファミ通」らしい日記マンガ。1ページあたりの情報量の濃さと、作者の狂気がポップに読めるのがうれしい。大河ドラマである『岡崎に捧ぐ』の完結前にキャラクターの現在が描かれるのもおもしろいところ(マクガイヤー/ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人/ニコ生主)
■お尻がアップなコマでもまったくいやらしくない。そして本当にゲームばかりやってる! しかもほぼひとりで! ますます山本さほ先生が好きになりました!(宮川元良/恵文社バンビオ店店長)
■ゲームってまったくやらないのに、笑わされた(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■ファミコン世代、ばんざーい!(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))