「あの話題になっているアニメの原作を僕達はじつは知らない。」略して「あのアニ」。
アニメ、映画、ときには舞台、ミュージカル、展覧会……などなど、マンガだけでなく、様々なエンタメ作品を取り上げていく「このマンガがすごい!WEB」の人気企画!
そう、これは「アニメを見ていると原作のマンガも読みたいような気もしてくるけれど、実際は手に取っていないアナタ」に贈る優しめのマンガガイドです。「このマンガがすごい!」ならではの視点で作品をレビュー! そしてもちろん、原作マンガやあわせて読みたいおすすめマンガ作品を紹介します!
今回紹介するのは、『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』
今年3月、あるTVアニメ作品の新プロジェクトが発表された。
2013年4月に放送され、多くのアニメファンに支持を受けた『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』、
このアニメが、なんと今秋に劇場版として公開されるというのだ!
さらには明日、7月7日(木)からTVアニメシリーズが、全24話を毎週2話ずつ1時間で放送、さらに新作となる第25話も放送されるというのだから、 これは注目せざるをえないですよね!
「このマンガがすごい!WEB」でもオリジナルノベル連載がスタートし、 様々なプロジェクトが次々と展開されているが、まだ『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』を 知らないという方へむけ、アニメ放送直前に作品をご紹介しよう!
物語は、地球人類が宇宙へ進出した未来――、
汎銀河統一帝国を名乗る謎の勢力・ウルガルによる攻撃によって、
地球人類は危機に脅かされていた。ウルガルに対抗するため、全地球防衛軍「GDF」の特務機関MJPは、遺伝子操作による強化型人種を生みだす。
そしてその強化型人種である5人の少年少女たちで結成された、通称「チームラビッツ」は、対ウルガルを想定して日々訓練に明け暮れていた。
「チームラビッツ」の少年少女たちは潜在能力が高いのに、なかなか評価されない。
それぞれ“ザンネン”といわれてしまうような、弱点や欠点があったから。
プレッシャーに弱くお腹をくずしがちなアサギ、 冷静なブレーンだけど最恐の味覚オンチ・ケイ、 惚れっぽいものの恋が成就したことのないタマキ、 銃器兵器についてしゃべりだしたら止まらないスルガ、そして ヒーローが大好きでマンガばかり描いている天然系・イズル……。
ここぞという時に本領を発揮できず、ついには「ザンネン5(ファイブ)」と呼ばれていた……。
そんな彼らにある日、辞令がくだる。
最新鋭機「AHSMB(アッシュ)」に搭乗し、ウルガル軍との戦いの最前線に送りだされてしまうのだ。
本人たちはもちろん、味方すらも不安のなか、敵と対峙するのだが――!?
……と、ここから先は、ぜひ明日から放送のアニメで!
さてアニメで注目してほしいのは、個性豊かで魅力あふれるキャラクターたちや、
壮大で濃厚なストーリーだけじゃない!
それはアニメに登場する洗練されたメカニックと、ロボットアクションの数々だ。
主人公たちが乗る機体「AHSMB(アッシュ)」はそれぞれの能力・特性に合わせた最新鋭の戦闘デバイスで、
搭乗者それぞれのイメージにピッタリなデザイン。
ディティールやギミックなど細かいことを言いだしたらキリがないのだが、 どれもスタイリッシュで、その戦闘シーンは本っ当に興奮のひと言! 流麗なアクションのあまりのカッコよさには、思わず息をつくのも忘れてしまうほど……。 ぜひアニメを見る際はじっくりとまばたきせず、超かっこいいバトルを堪能してほしい!
さて、これから少年少女たちはウルガルとの戦いに身を投じていくのだが、 そのなかで、彼らはウルガルと地球との関係や自身の運命に翻弄されていく。 そして自身の「ザンネン」を抱えながらも、懸命にあがきもがきながら、 笑顔で「ザンネンだっていいじゃない」と、広大な宇宙を駆け抜けていく。
はたして「ザンネン5」と呼ばれた少年少女たちはどのような運命をたどるのか――、
それは明日から放送のTVアニメ、そして秋の劇場版まで、あなたの目でぜひたしかめよう!
★先日公開された、劇場版の特報を特別にご紹介!
『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』のアニメを観たあとに……
何を隠そう、「このマンガがすごい!WEB」は、マンガの情報サイト! そんなわけで、アニメ『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』をさらに楽しみたいアナタに、読んでほしいマンガを紹介しちゃいますよっ。
『マジェスティックプリンス』
創通/フィールズ(企画・原作) 綾峰欄人(マンガ構成) 新島光(作画)
『マジェスティックプリンス』第1巻
創通/フィールズ(企画・原作) 綾峰欄人(マンガ構成) 新島光(作画)
小学館クリエイティブ ¥520+税
(2012年12月5日発売)
「月刊ヒーローズ」で連載中の『マジェスティックプリンス』。アニメより先行して連載を開始した作品で、アニメ本編と同じ世界観・時間軸のなかで、学園を舞台にしたアニメとは違うアナザーストーリーが展開される。というのも、この作品に登場するキャラクターたちは、アニメ版のイズルたちと同じ遺伝子からつくられた別人という設定なのだ。
学園を舞台にしているということもあって、アニメ本編とはまた違う、ほのぼのとした等身大の少年少女たちの姿が見られることも、アニメと違う新鮮な魅力! もちろんマンガ本編でも独自に本格的なストーリーが動きだすのでそのへんはご安心を。
マンガの構成を担当しているのは人気作『GetBackers-奪還屋-』の綾峰欄人先生というところもポイント! そして作画を担当する新島光先生の緻密で迫力満点の絵がますます『マジェスティックプリンス』を魅力的にしている! アニメ本編とリンクする部分もあるので、『マジェプリ』のワールドを楽しむためにぜひ一読してほしい。
『マジェスティックプリンス』のコミックス以外に、
このマンガもおすすめ!
『シドニアの騎士』弐瓶 勉
『シドニアの騎士』第1巻
弐瓶 勉 講談社 ¥571+税
(2009年9月23日発売)
ザンネンな主人公が活躍するSFロボットマンガといえばこの作品。
綿密で濃厚な“弐瓶勉ワールド”そのままに「ラブコメ」という新要素を盛りこみ、弐瓶作品に新たな魅力と可能性を世に知らしめた『シドニアの騎士』だ!
遠い未来――、外界との交流をほとんどせず育ってきた主人公・谷風長道(たにかぜ ながて)は、ある日捕らえられ、自分の出生や身分、そして生きてきた世界自体もわからないまま、人型兵器「衛人(もりと)」の操縦士訓練生として抜擢される。そして仲間たちと操縦士を目指し、「奇居子(ガウナ)」と呼ばれる生命体と戦いながら成長していく本格SFストーリーだ。
さて、この主人公・長道、なかなかに「ザンネン」な人物である。操縦士としては天才的な才能を発揮するのだが、世間知らずのため日常生活ではドジを連発してしまうのだ。女子更衣室に入ってしまい、女生徒全員からひんしゅくを買ったり、まわりの女子(女子のような男子も)を生来の天然で振りまわしたりと、まさに天才的な“うっかりさん”ともいえる。
それが長道自体のキャラクターの魅力を深める要素でもあるので、これも「ザンネンだっていいじゃない」といわざるをえないのもほほえましい。ザンネンな主人公が命懸けの戦いの果てに何を見つけるのかは、マンガを読んでからの楽しみだ。
<文・はろるどキサラギ>
フリー編集者。見習い感あふれる感じながら、ときに執筆やデザインも手がけることも。アニメとマンガが“ズッ友”。スポーツしてるDKが大好きだと叫びたい。