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『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(永田カビ)ロングレビュー! 「誰でもいいから抱きしめて」不安定なアラサー処女がたどりついた“人肌”という選択

2016/08/31


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』著者の永田カビ先生から、コメントをいただきました!

著者:永田カビ

「エロい話じゃなかったけど読み始めたらなんか読んでしまったな」を目指して描きました。お楽しみくださったら幸いです。

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『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』
永田カビ イースト・プレス ¥925+税
(2016年6月17日発売)


人が変わろうとする瞬間はどうしてこんなに美しいのだろう?

pixivで公開され、大きな反響を巻き起こした作品を全頁改稿・書き下ろしで書籍化した本作。
タイトルどおり、「誰かと付き合った経験も性的な経験も、ついでに社会人経験もないまま28歳になった私」がレズ風俗のお姉さんと裸でベッドで対峙するシーンで幕を開けるが、そこで最近よくある体験コミックか……とスルーする人がいたら、誤解だ! と声を大にしたい。

本作のキモは、そんなレズ風俗云々といった扇情的な要素ではなく、むしろ、なぜ彼女がそうするに至ったのか? という“背景”にあり、作中では実際、そうするしかなかった彼女自身の半生が赤裸々に描かれてゆく。

自分の“居場所”を失って心が壊れかけた作者に投げかけられた母のひと言。実家にただいることすら許されないのか、と彼女は思ってしまう。

自分の“居場所”を失って心が壊れかけた作者に投げかけられた母のひと言。実家にただいることすら許されないのか、と彼女は思ってしまう。

小さい頃から親の評価が絶対で、自分がどうしたいのかわからない、考えられないまま息苦しさを感じ続けていた「私」。
かろうじて「所属する何か、毎日行くところ=自分」だと思って生きていたが、鬱と摂食障害でバイトをクビになり、完全に自分を見失った彼女は、「どう考えても死ぬ方がラク」という極限に至り、この苦しさはどこからくるのか? 親でなく自分自身は何を求めているのか? 初めて「自分」へとに関心を向けることになる。

単行本情報

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