大学が夏休み中――ということで、美星の妹・美空が1泊2日で京都にやってきた。
姉妹といっても性格は真逆で、おとなしい美星と違って、美空はよく言えば活動的、悪くいえば騒々しい。その自由奔放な言動に美星とアオヤマは振りまわされることになる。
美空は、到着早々、美星とアオヤマを引き連れて伏見稲荷へと向かう。
美空が伏見稲荷で「お山めぐり」をしている間、美星とアオヤマは京都駅の近くでランチをしていたのだが、その2人をじっと見つめる中学生らしきキツネ目の少年がいた。気づいた美空が腰を浮かせると、少年は急に走り去ってしまう。
なにごともなければ、そのまま忘れてしまうような些細なことだが、その後この少年の存在がクローズアップされる出来事が発生する。
美空と合流して、彼女のスマホで撮影された「お山めぐり」の写真を見ていると、頂上で撮った美空の写真に、アオヤマたちが見かけたキツネ目の少年が写りこんでいたのだ。2人がランチをしていたのは午後1時ごろだったが、美空が山頂で写真を撮ったのも同じ時間帯であった。
つまり、キツネ目の少年は同じ時刻に2カ所に存在したことになってしまうのだ……。
と、いった稲荷神社のキツネに化かされたような出来事を美星は、「その謎、たいへんよく挽けました」と解き明かす。
不可解な事象の裏には、ある人物のある企みがあったのだが、それがなんなのかはコミックスを読んで確かめてほしい。
1泊2日での京都旅行だったはずの美空だが、結局は夏休みの間「タレーラン」でアルバイトをすることとなった。
美空が滞在期間を延ばしたのには、ある思惑があったのだが、それが新たな事件を呼び寄せることになる。また美空の登場により、美星とアオヤマの関係にも変化が生じてくる。
美空が京都に来た目的は何か? 美星とアオヤマの仲はどうなるのか?――と気をもたせた状態で第1巻は幕となる。
続きは10月発売予定の第2巻でのお楽しみだ。
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<文・廣澤吉泰>
ミステリマンガ研究家。、「ミステリマガジン」(早川書房)にてミステリコミック評担当(隔月)。「2016本格ミステリ・ベスト10」(原書房)でミステリコミックの年間レビューを担当。