話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『蒼の六郷』
『蒼の六郷』著者のあさりよしとお先生から、コメントをいただきました!
『蒼の六郷』
あさりよしとお 白泉社 ¥600+税
(2016年7月29日発売)
『青の6号』は小沢さとるの古典的なSF海洋冒険マンガ。そしてこちらは『蒼の六郷』だ。
「六郷」とは、東京都大田区にある地名のこと。舞台は多摩川下流~東京湾で、思いっきりミニマム。壮大なSFマインドと身近な日常をブレンドした、『宇宙家族カールビンソン』のあさりよしとおらしい最新作だ。
ボーイミーツガール。小学4年生の真潮(ましお)くんは、同じ団地の女子高校生の昴(のぼる)に頭を下げておりました。
「こんな事頼めるの、お姉さんしかいないんです!」
小さな頃から手を繋いでいた子の「大事な話」に心ときめかせた昴があばら家のなかに招き入れられると、そこは潜水艦の秘密基地だった……。
「大事な話」は、世界平和を守る戦いに協力してくれということ。具体的には操縦席に座らされ、膝の上に真潮くんが腰かける「人間イス」になることだった。
身長が足りない少年は立ったまま操縦しなければならなかったため、人間イス+フットペダル要員を探していたのだ。
小学生のすべすべの生足が自分の太ももをすりすりするごとに、なんとも言えない表情になる昴。
どうして私だったの? 小さい頃から知っていて、秘密を守ってくれそうな人なら古葉さんもいるのに。
「どうしても……お姉さんじゃなきゃダメだったんだ!
だって古葉のお姉さんじゃ 胸が頭に当たっちゃう…」
え? そんな理由?