話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』
『響け!ユーフォニアム 』シリーズ著者の武田綾乃先生から、コメントをいただきました!
『このマンガがすごい!comics 響け!ユーフォニアム
北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』 第2巻
武田綾乃(作) はみ(画) アサダニッキ(キャラクター原案) 宝島社 ¥690+税
(2016年10月11日発売)
福岡県の吹奏楽の名門校に「精華女子」がある。
TVでも何度か特集番組が組まれ、高校の吹奏楽部としては異例となる、メジャーレーベルからのCD発売を2014年2月12日に果たし、さらには『熱血!ブラバン少女』は第29回日本ゴールドディスク大賞クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤーにまで輝くなど、その活躍を聞いたことのある方は少なくないだろう。
その精華女子で35年にわたり指導してきたのが名将・藤重佳久だ。
そしてその藤重が、定年退職後、翌2015年4月より指揮を務めるようになったのが、長崎は「活水高校」吹奏楽部であり、その躍進は大きな話題を呼んだ。というのも、それまでの4年間、大会への出場すらなかった無名の活水高校が、わずか数カ月の練習で県大会、さらには九州大会を突破し、2015年10月の全国大会への出場を果たしたからだ。
2016年の今、『響け!ユーフォニアム』に触れると、どうしてもこの「活水高校」の奇跡を想起してしまう。
武田綾乃による小説『響け!ユーフォニアム』シリーズは、現在7冊が刊行されており、その第1作『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』は、はみによる同名コミカライズ全3巻のほか、京都アニメーション制作でTVアニメ化、『響け!ユーフォニアム』のタイトルで2015年4月から6月にかけて放映された。
そしてTVアニメ版2期『響け!ユーフォニアム2』が放映開始されたばかりのタイミングで刊行される今回のマンガ『響け!ユーフォニアム2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏』第2巻は、同名となる小説シリーズ第2作のコミカライズの完結編。
前作で見事、京都府大会を突破した北宇治高校吹奏楽部の、関西大会が幕を下ろすまでのひと夏の活動を主旋律に、これまで伏せられてきた、なぜ現2年生の多くは部を辞めてしまったのか、なぜ副部長のあすかは希美の再入部を認めないのか、そしてみぞれと希美のあいだにはな何があったのか、という謎の解明を副旋律に展開される。