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第7位（40ポイント）
『moon river』 本郷地下
『moon river』
本郷地下 新書館
出版社で編集の仕事をする内海芦花（うつみ・ろか）の夢は絵本作家になること。
ハロウィンの夜、川沿いのアパートに帰宅した芦花を待っていたのは、かつての同居人・クレアだった。
ハロウィンの日に出会った、のちに友と呼ぶ男は吸血鬼だったというファンタジックな展開。
2人の人生が交差する未来は訪れるのか……!?
オススメボイス！
■誤解されがちだが、日常とは、それ自体がじつは時間の流れを含意している。本作における吸血鬼と青年の奇妙な関係は、たとえばBL的な図式で読むことができる一方、時間の流れを間に置いた対照にほかならない。時間の流れを経ながら、変化をなしえていくものと変化から取り残されていくもの。それらの総和こそが日常なのだということが、ミニマリズムであるような2人の生活のなかに現れているのである。必ずしもドラマティックな作品ではない。しかし、些末な日常と小さな感情の揺れとを積み重ねることで、たいへんせつなく美しい光景にたどり着いている（森田真功／ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人）
第7位（40ポイント）
『娘が不登校になりました。 「うちの子は関係ない」と思ってた』 小林薫
『娘が不登校になりました。 「うちの子は関係ない」と思ってた』
小林薫 ぶんか社
中学2年生になる娘が、ある朝「おなかが痛い」と言って学校に行かなくなってしまった。
母親は学校への相談やフリースクール、転校など娘のために奔走する。
「不登校」という比較的身近な話題をテーマにすえたコミックエッセイ。自分の周囲に起こらないとはいいがたい題材だけに、いろいろと考えさせられます。
オススメボイス！
■「特に原因もなく不登校になる」という典型を描いていることと、受け入れられない学校に問題を感じている著書の視点が、貴重だと思った（紙屋高雪／ブログ「紙屋研究所」管理人）
第9位（34ポイント）
『AV女優とAV男優が同居する話。』 時計
『AV女優とAV男優が同居する話。』
時計 小学館クリエイティブ
ひょんなことから同居生活を送ることになった、AV俳優の柊梓（ひいらぎ・あずさ）と館石大地（たていし・だいち）。
お互いを理解しあえる2人は穏やかな生活のなかで淡い恋心を芽生えさせていくが……。
キャッチーなタイトルに思わず手にとってみたくなる、ティーンズラブ。表題作ほか3篇のラブストーリーの繊細かつ巧みな描写に、心をもってかれます。
オススメボイス！
■ココ最近、AV業界をモチーフとしたマンガが増えているような気がしなくもない。皆が興味のある題材なのかもしれない、SNSとかで女性の間で最近話題になったこの作品。実際にはAV女優とAV男優を事務所がルームシェアさせるということはありえないし、リアリティに欠けてる部分が多い。正直な話、男女のSEXに対する感情が逆だとよりリアリティが出たような気がする。なぜならAV男優のほうがSEXする人数の桁が違うからSEXに対してドライな感情を持つんじゃないかと思う。
しかしこの作品、撮影という名目でSEXをした男女の気持ちのスレ違いという点を重視したのはよい。実際に交際していたAV男優とAV女優を撮影したドキュメントなどもあるくらいで非常におもしろいテーマだと思う（ゴロー／AV男優）
第10位（30ポイント）
『好きにならずにいられない』 木村恭子
『好きにならずにいられない』
木村恭子 集英社
南側高校の1年生・栄祝（さかえ・しゅく）は恋愛に興味はあるけど、だれかを好きになったことがない。
初めて参加した合コンもノリきれなかった祝だったが、店員の青戸結（あおと・むすぶ）に励まされて、彼にひと目ぼれしてしまう……。
ストレートなガール・ミーツ・ボーイの“王道”と、天真爛漫なヒロインにきゅんきゅんします。
オススメボイス！
■出世作の『小さな恋のでっかいメロディ』が、もしも男性誌に載るようなタッチであったなら、もうちょっと下品であやしいお話になったかもしれない。が、少女マンガの魔法にあふれ、はにかまされるような微笑まされるようなかわいいロマンスを存分にしていた。そう、木村恭子の作品には少女マンガの魔法がある。本作も同様である。
合コンという俗っぽい企画での失敗が少女に不思議な出会いをもたらす。その出会いが運命であると信じられるほどの輝きを、照れることのないまっすぐさで描き出しているのである。「好きなごはんはごはんです!!」という冒頭の1コマで、元気いっぱいなヒロインを好きにならずにはいられない（森田真功／ライター、ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人）
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