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『球詠』 第1巻 マウンテンプクイチ 【日刊マンガガイド】

2016/12/04


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『球詠』


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『球詠』 第1巻
マウンテンプクイチ 芳文社 ¥590+税
(2016年11月11日発売)


かわいらしい絵柄で描かれた少女たちの、かなり骨太な野球マンガだ。

かつてピッチャーを務めていた、武田詠深(たけだ・よみ)。
別の学校でキャッチャーだった、山崎珠姫(やまざき・たまき)。
「大人になっても一緒に野球しようか」2人は幼少期、約束していた。
しかし詠深は中学時代、一回戦敗退。高校では「野球はもういいかな」とまでいっていた。
詠深と再開した珠姫。2人は再会記念にキャッチボールをする。
珠姫はいう。「あの球投げないの?」詠深は「投げていいの?」とおびえる。

詠深が投げるのは、ものすごいカーブでストライクを取る、攻撃的な球だ。
これを中学時代だれも捕ってくれず、彼女は自分を押し殺して野球をするしかなかった。
珠姫は、詠深の予想外な軌道のボールを、すべて捕る。
詠深は珠姫に信頼を寄せて、全力で、心の底から楽しそうに、ピッチングを始めた。

百合作品を得意とする著者は、少女たちの信頼と距離感を、バッテリーの関係に反映させた。
絶対的に信じてボールを投げ、完璧に受けきる。「気にせず思いっきり投げて」という球姫の言葉は、まるで愛の告白だ。
本気でプレイする彼女たちの様子を見て、ほかの子も刺激を受け、野球部が動き出す。

野球部の面々は個性的だ。
剣道経験がある強打者。野球マニアで暴走気味な妹と双子の姉。ずっとひとりでバッセン(バッティングセンター)通いをしていた少女。
高校での野球活動をあきらめていた面々ばかりなので、みなが集まり本格練習が始まる様子は、とてもワクワクする。
彼女たちは、練習自体が楽しいのだ。

少女たちはしっかり筋肉が描かれており、どのくらい訓練してきたのかがひと目でわかる。
特にふとももの描きこみは、とてもしなやかで力強い。
そして、チームみんなが笑顔。

全身で野球する彼女たちの姿は、美しい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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