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【11月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】今月の第1位は『バーナード嬢曰く。』の施川ユウキが初めて挑む長編マンガ! 不死身の姉弟の毎日は、ラップと痛みと死でいっぱい!

2017/10/20


業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。

今月のオトコ編は『バーナード嬢曰く。』『オンノジ』施川ユウキの最新作が第1位に!! 本作は短編や4コマを得意とする施川ユウキが初めて挑戦するストーリーマンガ! 『ヨルとネル』【2016年12月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】でも第1位をとった、これまでと一味違う漫画家の意欲作とは!?

さらに注目はそれだけではありません! 『ぼくは麻理のなか』押見修造が描く「究極の毒親」や、愛する娘のために犯罪を犯す平凡サラリーマンのサスペンス、さらには究極セレブ界の天下取りを目指す織田信長の極上の(クレイジーな)おもてなしバトルを描いた衝撃マンガなどなど……今月も「すごい!」マンガ目白押しです!

旬なマンガが多くランクインした今月のランキングを、アンケート回答者のオススメコメントとあわせてチェック!!

(2017年9月1日~9月30日発売作品を集計)


⇒⇒⇒ランキング「オンナ編」も要チェック!!


第1位(172ポイント)

『銀河の死なない子供たちへ』 施川ユウキ

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『銀河の死なない子供たちへ』
施川ユウキ KADOKAWA

舞台となるのは人類が滅んだ後の地球。そこで暮らすのは歳をとらなければけっして死ぬこともない、幼い姉弟とその母親。なぜ自分たちはほかの生物のように死なないのか、死んだら人はどこにいくのか、そんな疑問を抱えて人間を探す姉弟は、ある日ひとりの人類と遭遇して……。

『バーナード嬢曰く。』や『ヨルとネル』など、これまで数々の短編や4コマを手掛けてきた施川ユウキの新作は作者自身初めての挑戦となるストーリーマンガ。
これまでとは違った雰囲気があるものの、不死身の少女であるπ(パイ)が披露するかわいらしいラップには、いつものようについほっこり。
彼女たちの正体はなんなのか、人類はなぜ地球から姿を消したのか、そして初めて人間との遭遇は彼女たちの日常にどのような変化をもたらすのか? 数々の謎を抱えながら進むこの壮大なスケールの物語、絶対に見逃せない。

オススメボイス!

■休みの日に朝から腰をすえて「さぁ、読むぞっ!」と気合いを入れてじっくりと楽しみたい。自分にとってはそんな作家さんの待望の最新作。毎度のことながら期待をはるかに超えてズシンとくる。何をいってもネタバレになってもったいないので、とにかく読んでほしいとしかいえないのが悩ましい……(杉山陽一/COMIC ZIN 新宿店 コミックバイヤー)
■不老不死ゆえの無邪気さ残酷さと無垢さ。人類が滅亡したあとの地球で暮らす不老不死の幼い姉弟が、悠久の時をすごすうちに、やがてかぎりある命の意味を知る物語。絵柄のかわいらしさとSFとしての壮大さが不思議な調和を見せる。すべてを知る存在としての「母親」や宇宙からやってくる人間の謎など、後編でいったい何が語られるのか、先が気になってしかたがない(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
■最近は原作者としても活躍している施川ユウキが、「さらに本気を出してシリアス方面に向かったらすごいマンガを描いてくれるだろう」ってことは想定内ではあったが、まさかここまですごいマンガを出してくるというのは想定外だった。本人も自虐的に認めている絵の下手さが、この作品では絶妙にマッチして雰囲気を出しているのもまたよい。高い画力で描きこみまくればいいってのではなく、作中にも出ている手塚治虫『火の鳥』もそうだったが、こういう世界観を描写するのには、これくらいシンプルな絵柄でちょうどいいのかもしれない(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)


第2位(138ポイント)

『血の轍』 押見修造

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『血の轍』
押見修造 小学館

本作の主人公・長部静一はどこにでもいる普通の中学生。彼がすごす日常も、クラスの気になる女子を目で追ったり、友人とふざけあったりと、ごくありふれたものだ。ただ強いて変わった部分を挙げれば、母親が少し過保護ぎみなだけで……。

そんな淡々とした日常が続く本作だが、著者は『惡の華』『ぼくは麻理のなか』など読者の心をえぐるような傑作を多く手がけてきた押見修造。そう一筋縄では話は進まない。
美しく優しい息子思いの母親の静子。彼女が時おり見せる表情は甘ったるくも重苦しくて、どこか不穏……。そして単行本の終盤でそんな母の思わぬ一面を静一は目撃してしまう。単行本のオビに書かれているように、今回著者が挑戦したテーマは「究極の毒親」。はたしてこの母子が行きつく先は……。

オススメボイス!

■このじっとりと粘り気のある圧倒的な不穏がたまりません。押見作品の集大成になる可能性を秘めている(奈良崎コロスケ/博奕・映画・マンガの3本だてライター)
■押見修造の最新作。圧倒的な画力で、淡々と日常を描いているように見せつつ、徐々にその狂気が露呈してくるサイコパスな母親・静子(せいこ)と、溺愛する中2の息子・静一を軸にした物語は始まったばかり。まるで静一が押見さん本人で、このような実体験があったのか、なんて思わせられるほどすべてがリアル。これまでの押見ワールドをさらにアップデートしたような作品。とにかくこの物語の設定、世界観が思いつくだけで天才だと思わせられる、今必読の作品である(今村方哉/レコード会社勤務)
■美しくも歪んだ母の愛情。深い愛情が、息子の成長を静かに阻害していくのが恐ろしい(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)


第3位(116ポイント)

『そしてボクは外道マンになる』 平松伸二

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『そしてボクは外道マンになる』
平松伸二 集英社

ついに憧れの「週刊少年ジャンプ」で連載を持つようになった平松伸二青年。毎週毎週大増ページで原稿を描かされているのに、編集者からのあつかいは一向によくならず、それどころか「オレは絶対に漫画家としてオメエを認めねえ!」というキツいひと言を浴びせられてしまう。編集者・権藤が語る、平松伸二の漫画家としての弱点とは?

人気漫画家・平松伸二の青春時代を描いた自伝的作品『そしてボクは外道マンになる』が先月に続き、今月もランクイン! 
沖縄での取材旅行で迎えた初体験、高校時代好きだった女子との再会、人気原作者・武論尊の若き日のエピソード、「ジャンプ」の名物編集者・魔死利戸登場と今回も読みどころが盛りだくさんだが、やはり注目すべきは編集者との確執。当時の編集者に対する恨み言がこぼれるだけではすまされず、それどころか本作品を担当していた現役の編集者にまで「地獄を見せてやるウウウウウウウ!!」と強烈な呪詛を飛ばしているぞ!

オススメボイス!

■何もかもが破天荒。誇張されているとわかってはいても、本宮先生はあのままであってほしいとだれもが感じたはず! あの編集部があってこそ、平松ワールドが完成したのだとわかる任侠漫画家マンガの最高峰
■鬼編集者との確執、積年の想い、天才編集者マシリト登場、沖縄で童貞喪失、初恋のあの娘にプロポーズ。すべてが昭和、暑苦しい男たちの本気で満ち満ちている最高の自伝(今村方哉/レコード会社勤務)


単行本情報

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  • 『セレベスト織田信長』 第1巻 Amazonで購入
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