ビール片手にいやされながら観る、居酒屋風イベント
「見たら居酒屋に行きたくなる!」「夜中に見たらキケン!」と話題のアニメ『異世界居酒屋 ~古都アイテ―リアの居酒屋のぶ~』の振り返り上映会第2弾が開催された。
場所は東銀座の東劇。登壇したのは千家しのぶ役・三森すずこさん、エーファ役・久野美咲さん、小野勝巳監督、原作者・蝉川夏哉先生、梅崎淳志プロデューサー。
オープニングの挨拶としてみなさんが強調していたのは「ゆる~く楽しみましょう!」ということ。『異世界居酒屋』は気を張らずにゆるゆると観られるアニメなのだ。
そしてさっそく運ばれてきたのは、恒例「越後の秋」ジョッキに入ったトリアエズナマ!(久野さんはエーファに合わせてリンゴジュース)
蝉川先生の「乾杯(プロージット!)」という掛け声とともにイベントはスタートした。
一気に飲み干しておかわりを頼む蝉川先生に久野さんはびっくり。「おかわりできるんですか?」と聞いたら三森さんは「今日は飲み放題だから」と優しく教えていた。飲みすぎはだめだぞぉ!
キス天ぷらに珍味3セット! お酒が進む6~7話コメンタリー上映
最初の振り返り上映は6~7話。コメンタリー担当は久野さんと蝉川先生。
まずは第6話「キスの日」。
「最初は私も(キスの日を)勘違いしてました!」という久野さん。まだキスの天ぷらを食べたことがないという久野さんに、蝉川さんはアニメにあわせて塩でも天つゆでもおいしくいただけるということを説明していた。
久野さんはハンスが「ししとう」のことを「パプリカか?」といっていることに疑問を持っていたが、どちらもナス科トウガラシ属の野菜。ほぼ同種の植物なのだ。すこし苦みのある爽やかな風味は日本酒ともあう(たまに辛いものもあるので注意)。
キス天丼が登場した時には、久野さんからは思わず「ほわぁ!」という声が。まかないぶんのキスが減ってしまうことには「かわいそう」と言いつつ「しのぶさんって食いしん坊ですよね」という場面もあった。
続いての第7話は「盗人」。エーファの登場回だ。
蝉川先生が「カツオのたたきがお通しででてくるお店はうらやましい」という言葉に久野さんも「ないですよね!」と同意。たしかに、たたきではなくとも刺身がお通しででてくるお店はいいところなのでチェックしておきたい。
エーファの登場はここからなので、久野さんがアフレコに参加するのは何度目かの収録の時だった。なのでちゃんとなじめるか不安だったそうだ。でも三森さんや杉田(智和)さんが優しく迎え入れてくれたので、エーファと同じくすんなり居酒屋のぶになじめたようだ。
酒盗をニコラウスが食べるシーンでは久野さんが「おいしいんですか?」と尋ねていた。日本酒を飲んだことがないという久野さんには、蝉川先生がオススメのものを教えていた。日本酒は、たとえばワイン酵母で醸したものや、スパークリングで飲みやすいものも現れてきているので、日本酒初心者でも手がだしやすくなってきているんですね。
酒盗やへしこ、ままかりはご飯にもあうので、お酒が飲めない人でもおいしく食べられるのだ。
蝉ペディア炸裂! うんちくが止まらない、なぜなに蝉川出張版
#異世界居酒屋 #なぜなに蝉川
— 蝉川夏哉@アニメ4月13日配信開始 (@osaka_seventeen) 2018年5月18日
鱚はめでたい魚として、徳川将軍家では月のほとんど、朝食の膳に鱚が供されました。江戸湾でたくさん獲れた、ということも関係しているのでしょう。
現在は埋め立て地が多くなってしまった東京湾だが、江戸時代は漁が盛んに行われており、そこで獲れた魚介は「江戸前」と呼ばれていた。徳川将軍家は10代の頃までは粗食だったが、11代家斉の頃は豪華な朝食がでていたようだ。鱚を焼いたものとすり身にしたものが毎日供されたというが、ずっと同じものを食べていたら飽きてしまったかもしれない。
三森 「私はキスだと天ぷらが好きです」
蝉川 「アニメで見てもおいしそうでしたからね」
久野 「三森さんはてんつゆと塩、どっちがいいですか?」
三森 「塩だね。あたしゃ塩が好きだよ。サクサク感を失いたくないので」
久野 「私まだ食べたことないので……」
三森 「今度ぜひ塩で!」
小野監督 「抹茶塩や岩塩をだすお店もあるから楽しいですね」
#異世界居酒屋 #なぜなに蝉川
— 蝉川夏哉@アニメ4月13日配信開始 (@osaka_seventeen) 2018年5月18日
古都を含む帝国には様々な祝日や祭日があります。特定の地域や街、或いは職業の人しか祝わないものもあり、人々は「自分の知らない特別な日」にも寛容です。
「春分の日までは粗食しかできない」とニコラウスがいっていたように、古都の協会には季節にあわせた規律があるが、そのほかにも祝祭日がある。
古都などの信仰では職業や物事にそれぞれの守護聖人がおり、その数だけ祝日がある。ただ日本のように休日になるわけではなく「祝日にはお祝いをしよう」といった程度のお祝いを行うことになる。現実でもキリスト教にはテレビの守護聖人がいる(アッシジのキアラ)。病で参加できないミサの映像を自分の部屋に映しだすという奇跡を起こしたからだそうだ。もちろん彼女が生きていた時代にはテレビはなかったため、後年定められたものである。
蝉川 「古都には様々な土地から人が集まっているので、知らない祝日もあって当たり前なんですね。でも厳しい人もいるから気をつけましょう、という感じです」
久野 「エトヴィンさんはゆるいですよね」
三森 「見てたら『この人ゆるいなー』ってなるもん」
蝉川 「だされたものはちゃんといただかないといけませんからね。だからこのトリアエズナマも……(ジョッキのビールをぐびぐび)」
#異世界居酒屋 #なぜなに蝉川
— 蝉川夏哉@アニメ4月13日配信開始 (@osaka_seventeen) 2018年5月25日
エーファが居酒屋のぶの蛇口を盗もうとするエピソードですが、アイデアは二次大戦のソ連兵が占領地から蛇口を持って帰ろうとした話からですね。
第二次世界大戦時、ベルリンに攻めてきたソ連兵が蛇口と電球を持ち帰ったという風刺的なジョークがあった。農民から兵士として駆りだされた者は蛇口や電球を見たことがなかったので、こういった話がでてきたというわけ。『異世界居酒屋「のぶ」』を書く際には「日本の文化を知らない人がそれに触れたとき、どんな反応をするだろうか」という例を探していると、こういった事例がいろいろでていたんですね。
三森 「蛇口が欲しいって、エーファちゃんだとかわいらしい発想に感じますね」
蝉川 「実際は何も盗らなかったし、すぐに反省していたのでいい子なんです」
そこからアフレコ時の話へ。毎回お腹が空く現場なので、ビールが飲みたくなってしまうそう。
久野 「毎回やってくるお客さんによっても声優さんが変わるんですけど、すごい人たちがそろってますよね」
蝉川 「豪華なんですよ! 梅崎Pもどんなふうに揃えているのかが気になるところです」
梅崎P 「無理をいってます。なのでアフレコ日程の決定がギリギリになってしまうんですよね」
蝉川 「私は大阪に住んでいるんですが、ほぼ毎回アフレコには参加しています。身体は重いですがフットワークは軽いので」