『ザ・松田 超人最強伝説』第2巻
平松伸二 日本文芸社 \590+税
(2014年10月9日発売)
いんだよ、細けぇ事はッ!!
『ブラックエンジェルス』本編で脳天ぶち抜かれて死んだはず……と雪藤にツッコまれてそう返したザ・松田に、とやかく細かいことを言うつもりナシ。
右回転に左回転をぶつけりゃあプラマイ0になアアァ~~~ると電柱振りまわして竜巻を消すぐらい、国会議事堂に突っ込んできた飛行機を生身で止めたことからすれば、細かいこと。戦車の大軍をシコ踏んで地割れで壊滅させ、3286万ドルの札束がUFOとの衝突(よくあることだ)で灰になったついでに、外道エイリアンを殴り倒すのも通常運転だ。
だいたい「超人」と「最強」を二段重ねしてるデラックスな世界観になにを言ってもヤボ!
そんなザ・松田に引きずられて、「外道」たちもタガがはずれてきたおもしろさ。
原発再稼働をなんとしても実現したい安倍川首相がザ・松田を勧誘して「あなたの超人的パワーをもってすれば被害を最小限に抑えられると私は信じている」って、危機管理が細かくなかったら怖いよ! 現実にそういう動きになってる気がしなくもない、平松先生のセンス恐るべし。
<文・多根清史>
『オトナアニメ』(洋泉社)スーパーバイザー/フリーライター。著書に『ガンダムがわかれば世界がわかる』(宝島社)『教養としてのゲーム史』(筑摩書房)、共著に『超クソゲー3』『超ファミコン』(ともに太田出版)など。