『ふたつのスピカ』第1巻
柳沼行 メディアファクトリー \514+税
1990年12月2日は日本人が初めて宇宙飛行に成功した日だ。
その時打ち上げられた宇宙船は、ソ連のソユーズTM11号であり、乗っていたのはTBS記者(当時)の秋山豊寛記である。
柳沼行『ふたつのスピカ』は、宇宙飛行士になりたいという夢を持つ5人の少年少女を描いたストーリーだ。
主人公の鴨川アスミは東京宇宙学校に通いながら、宇宙飛行士を目指す女の子。アスミは単純に宇宙へ憧れているわけではなく、母親を宇宙探査ロケットの墜落事故により亡くしているという壮絶な過去を持っていた───。
それでも前向きに夢を追うアスミは、学校で出会ったかけがえのない仲間とともにさまざまな苦難に立ち向かっていく。
この作品は2003年にアニメ化、2009年にはテレビドラマ化もされた。
また、英語版のコミックが発刊されると、アメリカの青少年文学賞であるCYBLISのグラフィックノベル部門トップ5のファイナリストに選出されたほど、海外でも高い評価を受けている。
まだ読んでいない人は、ぜひこの機会に手に取ってほしい。
<文・小林美姫>
ぴあを経てフリーで活動。『井上雄彦ぴあ』『ワンピースぴあ』『ポケモンぴあ』『プリキュアぴあ』『細田守ぴあ』(ぴあ)、『プリキュア10周年公式ブック』(メディアパル)など。
Twitter:@mikitty116