2014年のラストに発表となる2015ランキング、オンナ編も大混戦! 今回は同率ポイントの作品が3つもランクインしています。
ところで、本誌『このマンガがすごい!2015』のランキング対象は、2013年10月1日から2014年9月30日までに単行本が発売されたマンガです。つまり今月のランキングは、きっと来年の今ごろに発売されるであろう本誌『このマンガがすごい!2016』のランキング対象になっている作品で構成されているということ。
この冬休みに、だれよりも早く2015年の注目作をチェックしちゃいましょう!
(11/1~11/30発売作品を集計)
第1位(98ポイント)
『手紙物語』鳥野しの
『手紙物語』
鳥野しの 祥伝社
時空を超越した様々な世界を舞台に、人々が受け取る手紙にまつわる5つのストーリーを収録したオムニバス作品。時に楽しく、時に悲しく、人間の心の交流を描く。
縦横無尽に展開する世界観が大きな支持を受けました。「無人島に持っていきたい短編集」という帯のキャッチもインパクト大!
オススメボイス!
■鳥野先生の漫画を初めて見たとき、「この人の絵でいろんな話を読んでみたい!」と思いました。そんなひそかな夢をかなえてくれた短編集。学園モノから歴史モノ、SFまで、ひねりのきいたストーリーとともに至福の時間を過ごせます(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
■珠玉の短編集。黒谷知也『幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい』(小学館)と迷ったが、本書のほうがSF・ミステリ味のある作品が多かったので選んだ。お気に入りは「シュレディンガーの恋人」である(廣澤吉泰/ミステリ漫画研究家)
第2位(90ポイント)
『たそがれたかこ』入江喜和
『たそがれたかこ』
入江喜和 講談社
人生に意味を持てなくなりつつあったバツイチ45歳の片岡たかこが、飲食処「viva」の店主・美馬修平と出会ったことで変わりはじめる。そして彼女は、ふとラジオから流れるバンド「ナスティインコ」のボーカル・谷在家光一の歌声に心奪われ……。
第1巻から高い評価を受けていた作品が、ついにランクイン。トップに肉迫しています!
オススメボイス!
■あいかわらずすばらしい『たそがれたかこ』なのですが、11月13日にこの3巻をゲットすべく書店へと向かったところ、発売日だというのに平積みになることはなく、わずかにあった棚差しの在庫2冊はさっさと売り切れてしまったとのこと。みなさん、もっと買ってください!(小田真琴/女子マンガ研究家)
■親子喧嘩シーンで、たかこさんの叫びとナスティ光一君の叫びがシンクロする瞬間に思わず鳥肌が立ちました。「生きづらさ」を抱えてふんばりつつ生きる人に大人も子どもも関係ない。名作と確信した3巻でした(梅本ゆうこ/ブログ「マンガ食堂」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第3位(70ポイント)
『七つ屋志のぶの宝石匣』二ノ宮知子
『七つ屋志のぶの宝石匣』
二ノ宮知子 講談社
宝石のオーラが見える志のぶは、東京下町の老舗質屋「倉田屋」の娘。彼女と宝石外商の北上顕定が出会ったことから、物語が動き始める。
あの『のだめカンタービレ』から4年、二ノ宮知子待望の最新作に、はやくも大きな支持が集まりました。
オススメボイス!
■質屋の娘で天才的目利きを持つ志のぶと、その質屋に質草として出されたイケメン秀才宝石商顕。音楽マンガで一世を風靡した著者の宝石をめぐる物語(太田和成/あゆみBOOKS五反田店 コミック担当)
■質屋と宝石を題材にしたストーリー、二ノ宮先生作品に独特のちょっと残念なイケメンもしっかり出てきます!(紀伊國屋書店新宿本店/書店員)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!