『どろろんぱっ!』第1巻
室山まゆみ 復刊ドットコム \1700+税
(2015年1月17日発売)
連載期間36年、コミックス全100巻というご長寿ギャグマンガ『あさりちゃん』の室山まゆみのおばけギャグが、今回復刊された『どろろんぱっ!』。
大福寺あんこが引っ越した新居にいたのは小野小町の幽霊!? じゃなくて、「おの・こまち」なる浮遊霊。
最初こそ追い出そうとしたものの、なんだかんだとノリが合い、あんこと小町はいいコンビに。
そこに、100年もさまよっている霊(小町のこと)を捕まえに天国から天使のアンジー(聖子ちゃんカットのお人好し)がやってきた。
業を煮やした大天使ミカエル(美形)がやってきて、アッサリ天国に行きそうな小町を、あっけない別れだわ~と見送るあんこ。だったけれど、小町は成仏したらあんこの子どもに転生するのは決まっているから、そんなに悲しむことはない(別に悲しんではいない・笑)と気を利かせたつもりのアンジーのアドバイスで、お互いに「え~、こんなぶすいや! 金髪ハーフの美形の子がいい!」と、2人の利害(?)は一致。結局、成仏は見送りに。
小町のキメ顔の泣き落としとか、ときどきすっごいかわいいんだけど、平常時はブス設定で、あんこもポンポンとぶすぶす言うのが、大らかでいい。
今読んでもテンポがよくて、ホロリときて、クスリと笑える古典芸の漫才コンビのような、バディものギャグマンガだ。
<文・小山まゆ子>
フリーランスの編集・ライター。絶賛発売中!! の『このマンガがすごい!2015』にも参加させて頂きました。あと12月25日発売の『宝島AGES』の「80年代特集」にもチョロっと参加させて頂いております。