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「ペヤングソースやきそば」の販売再開のニュースに、「脱法ペヤング」愛好家も歓喜……!?【週刊「このマンガ」B級ニュース】

2015/06/19


情報化社会の現代は、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを読んでいても、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! このマンガを読めば、世相が見えてくるッ!? 時代を読み解くためのマンガ・オススメコーナーです!……というか、本当はマンガを読んでクダを巻く企画です。
第1回目のお題は「ペヤング販売再開」です。

半年ぶりに復活! 僕たちの好きな「ペヤングソースやきそば」

みんな、そんなに好きだったの?

あらためてそう思わされたのが、「ペヤングソースやきそば」の販売再開のニュースだ。
昨年12月、製品に虫が混入して生産を自粛していたペヤングが、6月8日から関東地区で販売を再開した。販売中止期間は、製造停止前につくられた“デッドストック”がオークションサイトで高値取引されたこともあり、そうした「闇ペヤング」「脱法ペヤング」に手を出していた中毒者にとっては、販売再開は朗報だったにちがいない。

製造元のまるか食品によると、関東地区を皮切りに、順次全国へと販売地区を拡大していく予定だったそうだ。しかし、当初の予想をはるかに上回る注文があり、関東以外の地区での販売再開は延期されてしまった。
一部のヘビーユーザーだけが熱狂的に支持していたのでなく、全国的に愛されている国民的食品……それがペヤングなのである。

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『めしばな刑事タチバナ』第3巻
坂戸佐兵衛(作) 旅井とり(画) 徳間書店 \552+税
(2011年10月8日発売)


それだけ幅広い層に支持されているペヤングだが、じつは最近までは、ほぼ関東中心のローカル食品だったというから驚きだ。そのことは『めしばな刑事タチバナ』(原作:坂戸佐兵衛、作画:旅井とり)に描かれている。 「カップ焼きそば選手権」のエピソード(コミックス3巻に収録)では、全4話を費やして、ペヤングをはじめとする各種カップ焼きそばについての討論会が繰り広げられるのだ。
作中では城西署の刑事課長・韮沢が、口角泡を飛ばしてペヤングの魅力をたっぷりと語っている。この「カップ焼きそば選手権」は本作でも屈指の人気エピソードのようで、2013年にテレビ東京でテレビドラマ化された際にもピックアップされた。

関東ローカルなのにシェアは業界第2位、いったいどれだけ支持が熱いんだ……とは主人公・立花刑事の話。本作でペヤング派の原理主義的側面を知っていれば、今回の販売再開騒動も理解できるというものだ。

たしかに虫混入騒動は、メーカーにとっても消費者にとっても痛手だっただろう。しかし、集団食中毒事件を起こした食品メーカーも、その後の活動で持ち直した事例もある。消費者の“まろやかな”愛情が「ペヤング復活」を支えていくに違いない。


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『帯をギュッとね!』第23巻
河合克敏 小学館 \379+税
(1994年8月発売)


また、ペヤングネタのマンガとしては、河合克俊『帯をギュッとね!』も忘れてはならない。
柔道という男臭いスポーツを題材にしながらも、掲載誌「週刊少年サンデー」らしい恋愛や青春の要素を取り入れて90年代に大ヒットした柔道マンガである。

「愛の抵抗(レジスタンス)」(コミックス23巻収録)の回では、主人公・粉川巧ら浜名高校柔道部のメンバーが同部副主将の斉藤浩司の家(ラーメン屋)でヤキソバを食べていると、斉藤母が「柔道部がヤキソバ!?」とひらめいて、「どうだい味は?」と聞いてくる。すると部員たちはヤキソバを持っていっせいに立ち上がり、「まろやかああん!」と叫ぶのだ。これは、かつて放映されていたペヤングのテレビCMのパロディである。

作中のモノローグで「あまりに古いギャグ」とツッコミを入れているように、このエピソードが収録された1994年(「週刊少年サンデー」平成6年12号掲載)には、すでにCMキャラクターは「どうだい味は?」の桂小益(現在の桂文楽、落語協会理事)から立川志の輔に変わっていた。

といったところで今回の記事、ガッテンしていただけましたでしょうか?



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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