365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
1月17日はおむすびの日。本日読むべきマンガは……。
『集英社文庫 一本包丁満太郎』第1巻
ビッグ錠 集英社 ¥619+税
1月17日は「おむすびの日」。
1月17日は言うまでもなく阪神・淡路大震災の日だが、じつはこれが「おむすびの日」誕生のきっかけとなっている。
あのとき、被災者たちを力づけたのはボランティアの人々の炊きだしによるおむすびだった……この善意を讃え、また食料のありがたみを忘れないため、2000年に「ごはんを食べよう国民運動推進協議会」が「おむすびの日」を定めたのである。
もっとも簡易な食事であり、さまざまなバリエーションのあるおむすびは我々の生活から切っても切り離せない。
百花繚乱の料理マンガにもよく登場するテーマだが、今回は『一本包丁満太郎』を紹介しよう。
牛次郎原作による『包丁人味平』を70年代に大ヒットさせたビッグ錠は、いわば料理バトルマンガの祖。
本作の主人公は定食屋のひとり息子、満太郎。腕はまだまだだが、威勢のよさとアイデアは超一流!?
料理修行と称してさまざまな料理対決を繰りひろげるのだが、現代の作ってみたくなるレシピ満載の料理マンガとは正反対。
いや、しかし読者をあっと言わせるという意味では最高だ!
「おにぎり勝負」でも、よくもこんなことを考えつくものだと笑ってしまう独創的な一品を披露してくれる。
もちろん満太郎のライバルたちもクセモノぞろい。
料理人とはほど遠いクレイジーな出で立ちで現れ、勝負を賭ける渾身のおにぎりはというと、「骨付きにぎり」やら「お祈りにぎり」やら!? 名前だけではとても想像できない珍品ラッシュに抱腹絶倒。
足かけ12年にも及んだこの長期連載作に、エンターテイメントの真髄を見よ!!
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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