日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『桃色トランス』
『桃色トランス』第1巻
こるり 一迅社 ¥680+税
(2016年4月18日発売)
後ろから髪を梳かしている最中に、抱きしめて匂いをかぐ。
顔をものすごく近づけて、おでこで体温を確かめる。
剣道着のなかに手を入れて、上も下もまさぐる。
とにかく肌の接触が多い。ふんわり日常を描くと見せかけた、女の子が女の子の柔らかさを確かめあう作品だ。
舞台は生徒会。作中に出てくるのは主に4人。
ぽちゃぽちゃお肉でいつも笑顔で明るい生徒会長・あおい。Sっ気が強い縦巻きロールお嬢様・南。生まじめ極まりないちびっこおかっぱ・花。クールでりりしい天然イケメン少女・かなで。
きっちり屋のかなでは、おおらかであかるいあおいが好き。女の子いじり大好きな南は、ちっちゃい花にいたずらをはたらく。花は、脳天気すぎるあおいを追い回していつも檄を飛ばす。かなでは素でスケコマシ能力が高く、南を陥落させてしまう。
4人どの方向を向いてもカップリングができているので、どこを切り取ってもおいしい。
あおいの腹を、残り3人全員がもみ経験している。もみ姉妹だ。
エロティックなシーンは数多くあれども、とにかくお腹もみへのこだわりが尋常じゃない。
下から持ち上げると、ちょっと持ち上がる肉。指をはわせるとちょっと沈む肉。横から見るとちょっと曲線を描いている肉。
かなでが、あおいの腹を後ろからつまみあげ、鼻息あらく、顔を赤らめながらもむシーンのいかがわしさ。
もまれているあおいの吐息の、色っぽさ。
すごくいいと思います。
描かれているのは日常風景なのに、全編どうしようもなく桃色。
それでいて嫉妬やいさかいがほとんどない。見ていて幸せな気持ちにしかならない。
いいぞ、もっとやってください。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」