日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『おばあちゃんとゲーム』
『おばあちゃんとゲーム』 第1巻
瀬野反人 泰文堂 ¥600+税
(2016年8月12日発売)
出てくるゲームは『幻想水滸伝』、『アンジェリーク』、『ポポロクロイス物語』など90年代PS時代の名作ぞろい。「ポポロクロイスのナルシアは、起きると必ずベッドにつっかかる」など、かなりコアなネタてんこもりです。
プレイステーション初代で遊ぶ少女しょーこはインドア派。
近所に引っ越してきたおばあちゃんは、孫に会いたくてちょいちょい遊びにくる。
ところがやってくると、いつもしょーこはゲームをしている。
おばあちゃんは、しょーこの横に座る。自然とあれこれしゃべってしまう。
「この人をやっつけるの?」
「しょーちゃんおやつ食べる?」
「しょーちゃんは将来パイロットになりたいの?」
疑問符の嵐。おばあちゃん、ちょ、ちょっと黙ってて!
おばあちゃんとしょーこの間にジェネレーションギャップがありすぎて、会話が全然かみあわない。
「今日は何を殺すの?」「『ゲーム=殺す』じゃないよおばあちゃん……」
説明のしようがない疑問ばかり出てきて、会話は迷走しっぱなし。
おばあちゃんは、絶対に「ゲームなんてやめなさい」といわない。
「こっちのほうがいいよ」とはいうけど、禁止はしない。
いつもしょーこの横で、彼女のプレイを見ている。
たしかにおばあちゃんがゲームの邪魔になる瞬間は、ものすごく多い。
しかししょーこはものすごくおばあちゃんが好きで、おばあちゃんはしょーこのことを心から愛している。お互いいっしょにいたいと思っている。
おばあちゃんはこういう。
「おばあちゃんが外行こうっていうのはね 行ける時にこういう色んな所行っといた方がいいと思うからよ」
「でもおばあちゃん しょーちゃんが楽しそうにゲームしてるのも好きよ これからもおとなりで見てていい?」
ゲームをする時間も、お菓子を食べる時間も、散歩をする時間も。
いっしょにいる時間すべてが、2人にとって大切なものになっていく。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」