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1月23日は「ニホンオオカミの最後の1頭が捕獲された日」 『ロロの旅路』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/01/23


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

1月23日はニホンオオカミ最後の1頭が捕獲された日。本日読むべきマンガは……。


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『手塚治虫THE BEST』 第3巻
手塚治虫 集英社 ¥390+税


本日1月23日は、ニホンオオカミの最後の1頭が捕獲された日だ。

本州以南に生息していたとされるニホンオオカミは、明治時代を期に減少が始まり、1905年の1月23日に奈良県で捕獲された個体が、生存が確認された最後の1体とされている。

今回紹介するマンガ『ロロの旅路』は、ニホンオオカミと同様に現在では絶滅している、エゾオオカミを描いた作品だ。
エゾオオカミの最後の生き残りであるリリ、ルル、ロロの3兄弟は、母親が猟師に射殺されて剥製にされてしまったことから、家族に会いたい一心で、剥製を追う旅へと出る。
だが、その旅路は過酷なもので、ロロはあっという間にひとりぼっちに。そんなロロが出会うのが、お尋ね者のベンだ。母を求める狼を見て、ベンはしだいに共感を覚えるようになる。

本作では、旅のなかで孤独をかかえた狼と人間が奇妙な絆を結んでいく過程が、北海道の風景とともに叙情たっぷりに描かれており、せつなくもさわやかな余韻を残すラストにはだれもが胸を打たれるはず。

『ジャングル大帝』『フライングベン』に代表される、泣ける動物ものを描かせたら右に出る者がいない手塚治虫の実力が、いかんなく発揮された作品だ。



<文・山田幸彦>
91年生、富野由悠季と映画と暴力的な洋ゲーをこよなく愛するライター。怪獣からガンダムまで、節操なく書かせていただいております。
Twitter:@gakuton

単行本情報

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