365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
5月19日はハレー彗星が太陽面を通過し、地球が彗星の尾の中に入った日。本日読むべきマンガは……。
『君の名は。』 第1巻
新海誠(作) 琴音らんまる(画) KADOKAWA ¥550+税
今から107年前の1910年、約76年周期で地球に接近する周期彗星「ハレー彗星」が地球に最接近した。
ハレー彗星は、周期彗星のなかでも周期200年以下の「短周期彗星」で、およそ人類の平均年齢に近い公転周期であることから、これまでも多くの文献に記録されており、特定されている最古の記録はなんと紀元前240年! 『キングダム』の時代である。
1910年のハレー彗星は軌道の関係上彗星の核が地球~太陽間に入り、それを地球上からも観測可能だといわれていたが、実際は世界中の天文台が最新機材を使って観測不可能だった。しかしそれを日本の青森県八戸市に住む天文愛好家・前原寅吉が鮮明に観測したと話題になった。彼が観測結果に記したのが「5月19日午前11時20分」だったというわけ。
さて、日本においては昨年、非常に話題となった彗星がある。
その名は「ティアマト彗星」。
1200年周期で太陽を公転する長周期彗星で、「3年前の10月」に地球に最接近した際、砕けた核の一部が岐阜県の「糸守町」に落下した。
……と、ここまで書いたらお気づきだろう。
じつはこのティアマト彗星、昨年8月26日に公開され大きな話題を呼んだ映画『君の名は。』に登場する架空の彗星なのだ。
マンガ版の『君の名は。』は、公開に先がけて「月刊コミックアライブ」2016年7月号から連載を開始。さる2017年3月号にて連載を終了した。 『時をかける少女』や『夜は短し歩けよ乙女 新装版』(こちらも現在映画公開中!)など話題作をコミカライズしてきた著者・琴音らんまるによるマンガは、映画のストーリーを忠実に追いながらも主人公の瀧(たき)や三葉(みつは)が過ごす、クラスメイトとの日常生活が詳細に描かれた秀作。
だれもが知る名作で、なおかつ本稿を執筆時点では映画もまだ公開中ということでネタバレはあえて記さないが、2017年4月に発売となった第3巻で完結となり、最後まで楽しめるようになった。
ティアマト彗星をめぐって出会った2人がかなでる時空を超えたファンタジーをこの機会に読んでいただきたい。
<文・富士見大>
特撮のあれこれやマンガのあれこれに携わる編集・ライター。ただいま絶賛発売中!! の「俺たちの仮面ライダーシリーズ 電王 10th ANNIVERSARY」と、昭和特撮の秘話がたっぷり掲載の「特撮の匠 昭和特撮の創造者たち」参加。ちなみに未婚、前前前世から君を探してます♪