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5月28日は「花火の日」 『刹那グラフィティ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2017/05/28


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

5月28日は花火の日。本日読むべきマンガは……。


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『刹那グラフィティ』 第1巻
木乃ひのき 講談社 ¥581+税


夏の風物詩といえば“花火”。
闇夜に咲く満開の花火は、観る者の心に鮮烈な思い出を刻みこむものだ。

本日、5月28日は「花火の日」といわれている。
これは、1733年に隅田川で川開きが行われ、慰霊の意味をこめた花火が打ちあげられたことに由来する。 (ちなみに、8月1日も別の由来で「花火の日」として制定されている)

そんな花火を打ちあげるのに欠かせない存在、それが“花火師”だ。
彼らは鮮やかな花火の陰に隠れ、人々を楽しませるために日夜花火づくりに明け暮れている。
その花火師たちをテーマにしたマンガが『刹那グラフィティ』である。

主人公は、とある事情で幼い頃に住んでいた田舎町へ戻ってきた高校生・刹那煌(せつな・こう)。
彼はそこで、幼少期に出会った不思議な少年・如月銀河(きさらぎ・ぎんが)と再会する。銀河は魔法のように花火を扱う少年であり、煌の心に強烈な印象を残していた。
その再会を機に、花火師への興味を募らせていく煌。
2人の少年は、花火師として生きていくことを決意するが――。

本作は花火師について描いたお仕事マンガだ。
なかなか表舞台に立つことが少ない花火師は、その生態に謎が多い。
超がつくほどの体育会系であり、弱肉強食は当たり前。舐めてかかれば、ヤケドなんかではすまされない。
そんな花火師の実情を知るたびに、彼らに対する敬意が生まれるだろう。

そして、本作は少年たちの成長を描いた青春マンガでもある。
その“成長”のひとつが、トラウマの克服。
前述した“とある事情”によって、煌の心には深い傷がついている。
それは調理実習で火を見た途端に倒れてしまうレベル。そんな煌が花火師になることはできるのか。
夢とトラウマ、その2つに挟まれた煌がどのように成長していくのか。それも本作の読みどころだ。

とはいえ、あまり難しいことは考えずに、まずは読んでみてもらいたい。
圧巻なのは、花火の描写。夜空を彩る花火はとても鮮やかで、思わずため息がこぼれてしまうほど美しい。

夏も目前に迫ったこの時期にうってつけの一作だろう。



<文・五十嵐 大>
'83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。

単行本情報

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