このマンガがすごい!WEB

一覧へ戻る

『ヴィジランテ —僕のヒーローアカデミアILLEGALS—』 第1巻 古橋秀之(作) 別天荒人(画) 堀越耕平(案) 【日刊マンガガイド】

2017/05/16


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『ヴィジランテ —僕のヒーローアカデミアILLEGALS—』

  
Vigilante_s01

『ヴィジランテ —僕のヒーローアカデミアILLEGALS—』 第1巻
古橋秀之(作) 別天荒人(画) 堀越耕平(案) 集英社 ¥438+税
(2017年4月4日発売)


ヴィジランテ(Vigilante)とは、“自警団”の意味。法律その外で、実力行使も辞さない防犯組織のこと。
現在アニメ放映中『僕のヒーローアカデミア』の外伝的位置づけのこの作品。
特異能力“個性”を持つ人々がいる世界観は同じ。
『ヒロアカ』の主人公・緑谷出久(みどりや・いずく)が憧れるスーパーヒーロー・オールマイトらは、政府の認可のなかで、職業としてヒーローをやっている。一方こちらは何の免許も持たない、非合法活動だ。

19歳の青年・灰廻航一(はいまわり・こういち)の個性は、滑走。
速さは自転車くらい。まあまあ便利ではあるが、すこぶる地味な個性だ。
オールマイトに憧れる彼は、深夜にスーツを着て、人に親切をしてまわる“親切マン”活動を行っていた。

ある日、フリーアイドル(自称)の“ポップ☆ステップ”がチンピラに絡まれた。
彼はなんとか自分の個性で助けられないかと考えるも、失敗。
あわやボコボコにされそうになったその時、鉄拳掃除人“ナックルダスター”を名乗る男が、チンピラ個性持ちを次々殴り倒す。

ナックルダスターには“個性”がない。ただ単に腕っ節が強いオヤジなのだ。
「「強力な“個性”」に「プロ資格」——そんなものは真の正義にはまったく関係ない」
「成すべきことを前にした時 行動を起こせるか否か!! ヒーローの魂に問われるのはただその一点のみ!!」
建前はかっこいいが、勝手に悪党だと決めつけてぶん殴るのは、れっきとした犯罪だ。
オールマイトが光のヒーロー“スーパーマン”だとしたら、ナックルダスターはダークナイト“バットマン”。

作中には、オールマイトをはじめとした『ヒロアカ』本編でのスーパーヒーローたちが多数登場し、活躍している。
彼らの活動は、華々しく町を守ることで、見せることで民衆に安心感を与える。
だが本当に汚れた悪意は、表に見えないところに潜みがち。こちらをナックルダスターたちは追っていく。

生身の人間と、あんまり役に立たない個性の面々。3人の武器は知識と事前準備だ。
とはいえナックルダスターが適当にぶん殴るくらいしか、今はやることがない。
ここからどう、自警団ならではの活動を見せてくれるのか、また本職ヒーローと対峙した時どうするのかなど、今後の展開に期待が膨らむ。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

  • 『ヴィジランテ —僕のヒーロー… Amazonで購入
  • 『池袋スティングレイ』 第1巻 Amazonで購入
  • 『僕のヒーローアカデミア』 … Amazonで購入
  • 『ある日、爆弾がおちてきて』 Amazonで購入

関連するオススメ記事!

アクセスランキング

3月の「このマンガがすごい!」WEBランキング