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今回紹介するのは、『このマンガがすごい!comics Black Flower 関東連合のいびつな絆』
『このマンガがすごい!comics Black Flower 関東連合のいびつな絆』 第2巻
柴田大輔(作) 大島保(脚本) 山根聖史(画) 宝島社 ¥590+税
(2017年6月24日発売)
関東連合の元幹部・工藤明男(柴田大輔)の手記『いびつな絆 関東連合の真実』をベースにしたオリジナルコミックの第2弾。
最凶の暴力集団がどのように闇社会でのしあがっていき、六本木のクラブで“人違い”による殺人を犯すという最悪の結果に至ったのか?
衝撃の真相を明らかにしていく。
第2巻は1996年のある夜から幕を開ける。
渋谷の街を闊歩する特攻服の集団・関東連合。
率いるのは弱冠18歳の最高幹部・見立田真一だ。
そんな彼らに難くせをつけてくるガッシリとした体躯の男・金山剛。この出会いが、すべての始まりだった。
鍛え抜かれた身体で“タイマン最強”との呼び声が高かった金山は、関東連合の面倒見である一方、対立勢力である新宿ジャックスの鬼村兄弟とも先輩・後輩の仲を続けていた。
これが燻る火種を燃えあがらせる要因となってしまう。
こうして迎えた運命の1日。
気まぐれで催された見立田の誕生パーティーが終わり、散会したあと、帰途の金山が覆面集団に金属バットで襲撃されたのだ。
凄惨なリンチで帰らぬ人となった金山の復讐を誓う関東連合は、ターゲットを鬼村兄弟に絞る。
この復讐劇が紆余曲折を経て“六本木クラブ襲撃事件”につながっていくのだが、一見、関東連合vs新宿ジャックスという単純な構図のようでも、そこには様々な勢力と見立田の思惑が見え隠れする。
また一枚岩に見えた関東連合も、小さな亀裂がそこかしこに入ってきた。
高いIQを持つカリスマ・見立田に翻弄される関東連合の猛者たち。
ここから先は我々の記憶にも新しい事件の裏側が、次々と紐解かれていくことになるだろう。
これらすべてが平成の東京で現実に起こったこと……。そう思うと背筋が寒くなるが、一度読み始めたら最後、ページを繰る手を止められない!
\『Black Flower』は「このマンガがすごい!WEB」で現在、好評連載中!/
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。