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『サタノファニ』 第1巻 山田恵庸 【日刊マンガガイド】

2017/07/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『サタノファニ』

  
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『サタノファニ』 第1巻
山田恵庸 講談社 ¥580+税
(2017年6月6日発売)


『エデンの檻』『DEATHTOPIA』の著者が描く最新作は、期待を裏切らないエロティックバイオレンス作品。

甘城千歌(あまぎ・ちか)は、5人の人間を殺害した犯人として逮捕された。
といっても彼女はちょっと大食いなだけの普通の女子高生。
レイプされかけたところまでは覚えているが、そのあと何をしたのか覚えておらず、気づいたらあたりは血の海だったという。
世間ではこのような症状を“メデューサ症候群”と呼んでいる。

無期懲役刑の千歌が送られたのは、メデューサ症候群の少女だけが収容された特級刑務所。収容されているのは現在9人。
新人いびりなど多少の軋轢は見えるものの、見たところ全員そんなに凶悪犯には見えない。
だが同室になった鬼ヶ原小夜子は、彼女にいう。
「私たち ここで殺し合いしてるのよ」

タイトルの“サタノファニ”とは、悪魔憑きのこと。
千歌はピンチの間際に、まさに悪魔憑きのごとく、まったく別の暴力的な性格に操られた。
ということはほぼ全員が彼女同様、平常時と違う残虐な殺人鬼を内に宿しており、だれもそれを覚えていないことになる。

もし本当に殺しあいが行われているなら、非常に面倒だ。
お互いが殺しあっている時の姿を、だれもわかっていない可能性もある。
日中にどんなに仲よくなったとしても、朝起きたらその相手を殺していた、なんてこともありうる。
戦う側の人格が出たまま、意識が戻る前に自分が死ぬ可能性もある。
自分の理性で行動を抑えられないことほど、厄介なことはない。
どうやったら自分を殺しあいに参加させないように抑えられるのか。

二重人格なのか、本当に悪魔憑きなのかも、現時点ではわからない。
受刑者のなかの何人かは、快楽殺人犯の様子。
なんで殺人欲求のスイッチが入ったのか、見当もつかない。
なかには表の顔で人を殺している人間だっているかもしれない。
全員が殺人犯の牢獄で、本人の意思がほぼ介在しない、不思議な殺しあいがはじまる。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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