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7月6日は「東京大学安田講堂が完成した日」『東大快進撃』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/07/06


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが 「きょうのマンガ」です。

7月6日は東京大学安田講堂が完成した日。本日読むべきマンガは……。


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『小学館コロコロ文庫 東大快進撃』 第1巻
小林よしのり 小学館 ¥437+税


天下の名門大学・東京大学。
本日7月6日は、その東京大学のシンボルでもある本郷キャンパスの安田講堂こと東京大学大講堂が完成した日。
“安田”の呼称は講堂建築のために寄付をした安田財閥の創始者・安田善次郎にちなんだもので、1921(大正10)年に起工して1925(大正14)年に竣工。
関東大震災後の東京大学(当時・東京帝国大学)の新たなキャンパスデザインのモニュメントともなった。

その後、1969(昭和44)年、大学運動に端を発して過激派学生たちが立てこもり、機動隊と衝突するなど、歴史的な事件とも関わってきた安田講堂。
そんな安田講堂があとかたもなく崩れ落ちてがれき(!)と化してしまったのは1981(昭和56)年のこと……というのは、マンガのなかの話。
『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』で知られる小林よしのり『東大快進撃』(1980~1981年)のラストで、安田講堂崩壊が描かれているのだ。

それこそ歴史的な事件としてその最終回が語り継がれている本作は、成績は最下位ながら自称“天才”の東大通(とうだい・とおる)が東大合格を目指すギャグマンガ『東大一直線』(1976~1979年)の続編。
いよいよ迎えた東大受験、東大通は見事に合格を決めるが、彼をバカにし続けてきた名門校のエリート・現役勝(げんえき・まさる)は不合格となってしまう。
受験にすべてを注ぎこんできた現役勝。
ぼろぼろになった彼は安田講堂にあがって建物にノミを打ちつけると、そのまま飛び降り自殺。
そんな現役勝の死に思いを馳せる東大通が講堂にあがったその時、ノミが打ちつけられたところから建物に亀裂が生じて……。

パワフルなギャグマンガの最後に待っていたのは、死と崩壊!
権威主義、受験地獄、本当の意味での勝者と敗者/強者と弱者など、様々なことを考えさせられるラストでもあるが、とにかくそのラストのインパクトは大。安田講堂が崩れ落ちる瞬間、そもそもなぜ東大通は東大に受かることができたのか(こちらの理由もインパクトは大!)とあわせて、ぜひその目で確かめてみてほしい。



<文・渡辺水央>
マンガ・映画・アニメライター。映画『暗殺教室』パンフも手掛けています。

単行本情報

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