日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』
『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』 第5巻
草壁エリザ (画) こやまゆかり (作) 講談社 ¥429+税
(2017年6月13日発売)
≪『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』は、「マンガボックス」にて大好評連載中! マンガは、こちらから!!≫
杏寿(あず)と夫の純平は、仲のいい夫婦。
杏寿は子育てにネイルサロンの仕事にと忙しく、セックスレス気味なのは気になりつつも充実した日々をすごしていた。
単身赴任中の純平は毎週末帰ってくるし、順風満帆といったところだが、ある日彼の浮気が発覚して……。
純平の不倫相手は、2児の母ながらお人形のようにかわいらしい里奈。
見た目はお嬢さんっぽいが、純平への執着はかなりの食わせもの!?
さらに浮気現場を目撃した里奈の夫・渡がさらにひと筋縄ではいかない人物だから、事態はかなり面倒なことに。
誠実に謝り続ける純平を認め、離婚を踏みとどまった杏寿だが、コトを徹底的に検証したい渡の呼び出しで2組の夫婦が一堂に会する話しあいの場が設けられた。
ぬけぬけと「純平のほうが積極的だった」「いつか離婚していっしょになろうといってくれた」と主張する里奈と、それを否定する純平。
「どっちが嘘をついているかはっきりするまで帰さない」と激昂する渡。
読みながら息苦しくなるような平行線の展開を打破したのは、「2人とも嘘をついているつもりはなく、受け取り方の違いなのでは」という杏寿の懐深い言葉だった。
しかし、なんとか収拾し、帰ろうとした杏寿と純平に、里奈が突きつけたスマホには夫以外の男とベッドをともにする杏寿の姿が……。そう、杏寿は罠にかかったのである。
ようやく夫を許し、新しくやり直す心持ちになれた杏寿が一転、大ピンチに!?
原作を手がけるのは『スイート10』『1/2の林檎』『バラ色の聖戦』などドロドロの愛憎劇を得意とするこやまゆかり。あらすじだけを説明すると泥沼な側面が目立つが、こやま作品の魅力は人間の掘り下げ方にある。
ヒロイン・杏寿も、気持ちが弱っている時に、うかつにほかの男性にグラついてしまった自分を省みて、夫の浮気は本人がいうように「一時の過ち」であったと、人間にはそういうこともあるのだと理解するのだ。
いまだ純平を手に入れることをあきらめない里奈。
里奈を激しくののしりつつも、絶対に手放そうとしない渡の気持ちがどのように動いていくのかも、これからの見どころである。
≪『ホリデイラブ~夫婦間恋愛~』は、「マンガボックス」にて大好評連載中! マンガは、こちらから!!≫
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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