日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『ゆらぎ荘の幽奈さん』
『ゆらぎ荘の幽奈さん』 第7巻
ミウラタダヒロ 集英社 ¥400+税
(2017年9月4日発売)
肉体派霊能力者・冬空コガラシが暮らす「ゆらぎ荘」には、妖(あやかし)がいっぱい住んでいる。
座敷童子のちとせ、酒天童子の呑子、くノ一の狭霧、猫神に憑依されている夜々、そして地縛霊の湯ノ花幽奈。
さらにコガラシの同級生・千紗希たちも巻き込んだ、ドタバタの日常を描く幽霊ラブコメ『ゆらぎ荘の幽奈さん』。
コガラシを巡る恋の争奪戦も、クリスマスのビッグイベントでますます盛りあがる7巻。
女の子たちが水着のサンタコスになったり、裸で生クリームまみれになったり、肌色多め(原稿はモノクロだけど)のうれしいハプニングも盛りだくさん。
あらためて、ミウラタダヒロ氏の描く女の子の魅力にドキドキしてしまう。
コガラシが呑子さんのおっぱいをうっかりモミモミしちゃった時。
あるいは餅つきの初夢を見ているコガラシが、寝ぼけて幽奈のおっぱいをこねこねしている時。
手のひらに吸いつくような触感たるや。
マンガなので実際に触れることはできない。
にもかかわらず、肌触りが伝わってくるような画力の高さに驚嘆。絵に描いた餅を本物の餅に錯覚させるほど、チャーミングに描かれている。
もちろん女の子のかわいらしさだけじゃない。
冬空コガラシの一本筋の通った男らしさは、少年誌ならではのカッコよさにあふれている。いろんなバイトを掛け持ちしている理由は、過去に取り憑かれた幽霊への感謝と供養をこめてのことだと語るコガラシ。
「冬空くんっぽいね!」
優しさを感じるその理由に、もっとコガラシのことが好きになっていく千紗希の恋心が微笑ましい。
甘々な雰囲気の前半とは打って変わって、後半はバトル展開。
京都から天狗一族の緋扇かるらが来襲して、コガラシを奪い去ってしまう。
かくして、ゆらぎ荘メンバーによるコガラシ奪還作戦が開始されることになった。
ラブコメ展開だけじゃなくバトルアクションも楽しめる、一挙両得のおもしろさが詰まっている。
<文・かーずSP>
個人ニュースサイト「かーずSP」管理人。
青春時代が暗黒だったので、ラブコメ作品を摂取して人生の記憶を書きかえてます。