日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『MFゴースト』
『MFゴースト』 第1巻
しげの秀一 講談社 ¥590+税
(2018年1月5日発売)
18年の長期連載となった『頭文字D』の終了から4年、しげの秀一が再び公道最速伝説をスタートさせた。
舞台となるのはクルマの自動運転が普及した近未来の日本。
化石燃料をエネルギーとする旧式のクルマは絶滅寸前だったが、その一方で日本の公道を使用するモータースポーツイベント「MFG」は世界中で爆発的な人気を博していた。
トヨタを始めとした日本の各メーカーはもちろん、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニといった外国勢が最強のマシンを送りこみ、覇を競うのだ。
そのMFGに彗星のごとく現れたのが、イギリスのレーシングスクールを卒業したばかりのドライバー、19歳のカナタ・リヴィントンだった――。
公道レース×若き天才ドライバー。
「まるっきりイニDじゃん!」とつぶやいたアナタ、半分正解です。
じつはこの『MFゴースト』、『頭文字D』と同一の世界観で描かれているのだ。
『頭文字D』第1巻をお持ちの方は、上記の表紙と見比べてほしい。
同じ構図で描かれていることにお気づきになるだろう。
ハチロクの前に藤原拓海が立っているのが『頭文字D』。
『MFゴースト』はカナタがハチロクGTの前に立っている。
そう、本作の主人公・カナタが駆るクルマは現行のハチロクなのだ。イケメンながら朴訥とした雰囲気も拓海と被る。しかもカナタにドラテクを教えた先生は……!!!
またMFGのエグゼクティブオーガナイザーの名はリョウ・タカハシ。
恐らくはプロジェクトDのリーダー・高橋涼介だと思われる。
一方、ヒロインの西園寺恋はツンデレな超美少女JK。安定の“しげの印”ギャルだ。どこかミステリアスな雰囲気を持つ彼女は、カナタが日本に来た大きな目的を手伝い始める。
この第1巻は、まだカナタがハチロクでMFGの予選にトライするまでの序盤戦にすぎない。
今後はあの人仕込みの超高速四輪ドリフトで下りを攻めまくり、ポテンシャルが一枚劣るハチロクで並み居る欧米のモンスターマシンをガンガンぶちぬいていく、そんな激熱の展開が繰り広げられていくことだろう。
オッサンとなった(?)、レジェンドたちがどういうかたちで登場するのかも非常に楽しみだ。
<文・奈良崎コロスケ>
中野ブロードウェイの真横に在住。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。